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プーチンに手玉に取られた安倍首相 [政治]

プーチンが鳴り物入りで来日し、何の結果も残さず帰って行った。安倍君は完全に手玉に取られた格好だ。いろいろと外国巡りをしている安倍君だが、どこでもお土産さえばら撒けば歓迎された。調子に乗ってロシアにも打診してみたら色よい返事があった。お土産次第では、お望みのものを差し上げようといった雰囲気だ。

そこが安倍君の甘いところだ。アフリカの小国と一緒にしてしまう愚を犯した。ロシアはでかい国なのだ。プーチンの気持ちを動かすお土産を見くびってはいけない。安倍君のお土産がたいしたものではないとわかった時点で、もうプーチンは交渉などするつもりがなくなっていた。

にも拘わらす、安倍君の夢は膨らんだ。2島でもいいから、返してもらったことをネタに総選挙をやれば、さらに任期が伸びる。歴代最長の「名総理」で、長くキングメーカーになれるかもしれない。

領土問題というのは、そう簡単には行かない。なるほどソ連は歯舞色丹を返すと言ったことがある。だがそれは、アメリカの静止を振り切って、ソ連との平和条約を結ぶという交換条件がついていたのだ。そのとき、結局自民党政府はこの申し出を断った。アメリカの意向にそって、冷戦の強化のため、現状維持の道を選んだのだ。このとき持ち出したのが四島一括という断られるのを承知の要求だった。

歯舞色丹をロシアが領有するのは不法だから返さないという理屈はない。そう思っている人が多いのだが、ロシアにも理屈がある。ドイツもイタリアも政府崩壊まで徹底抗戦したのだが、日本だけは政府崩壊を避け、降伏を認めてもらうためにポツダム宣言を受け入れたのである。ポツダム宣言はカイロ宣言を引き、カイロ宣言には、日本の領土は「我々が決める4島とその周辺に限る」としている。つまり、どこまでを日本領土とするかは、ロシアが決めるということに同意したのだ。

第二次世界大戦の戦後処理は極めて変則的に行われた。日本は、ソ連・中国を無視して、米国をはじめとする西側諸国とだけ条約を結んだ。サンフランシスコ条約にはソ連・中国は参加していないので、原理的にはいまだに日本はロシア。中国と戦争中ということになる。「不法」というが、ロシアとの間でそんな「法」はないのだ。ポツダム宣言に基づき、ロシアが歯舞色丹国後択捉を領土とすると決めればそれが「法」になるという理屈だ。

世界の大勢としては、サンフランシスコ条約にソ連・中国は参加していないのだが、多くの国が認めているから、日本はサンフランシスコ条約で世界と和解したという理解になる。ところが、そのサンフランシスコ条約で日本は、世界に対して千島列島の放棄を約束してしまっている。これはまずい。歴史的に見れば4島は日本が武力で奪取した島ではないのだから、第二次世界大戦の戦後処理として放棄させられるべき島でないのは正論なのだが、条約は理屈を上回る。

日本が一貫して主張している四島一括返還というのは、「南千島は千島ではない」という詭弁に基づいている。国後択捉はサンフランシスコ条約に言う千島ではないということだ。まあ、はっきり言ってこれは無理な主張だ。ロシアとの交渉では、詭弁を捨てて正論にもどらねばならない。サンフランシスコ条約の不備を認めるのでなければ交渉の出発点がなくなる。

アメリカに100%従い、サンフランシスコ条約を無上のものとしながら、他の国と交渉しようなどということが土台無理なのだ。プーチンは思っている。「安倍なんて小物を相手にする必要はない。トランプに一言言わせればなんでも解決する。」事実はそのとうりだろう。
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