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ベジタリアンの策術論理 [雑学]

健康志向で野菜食が宣伝されている。健康には野菜ということで、菜食主義にすればガンでも治るという主張が蔓延するようになってきた。なかなか、そこまで踏み込めない普通の人達は、ベジタリアンを意思の強い人と尊敬するしかない風潮だ。ガンになった人達は、なんとか助かりたいと言う想いで多少たりともベジタリアンを真似ることになる。

しかし、なぜ菜食主義がガンに良いのかは、全く明確ではない。明確でないのにあたかも事実であるかのように押し付ける語り口が、どうも策術的で気に入らない。菜食で免疫力が高まったとか、玄米食でガンが治ったとかが、何の統計データもなしに語られている。野菜食がガンに効くことを前提にした本が色々と出版されているのに、根拠が示されていないことが不思議だ。いやいや、根拠らしきことは書いてあるのだが、よく読んで見ると実は根拠になっていないものばかりだ。例えばこんな記述だ。

ローレンス・リブモア国立研究所は5年にわたり、肉からどんな毒物ができるかを研究した。そして、染色体に損傷を与えガンに関係する化学物質が8個あることを確認した。これらの物質は豆腐やチーズからはできてこない、と同研究所主任研究員は述べている。

研究所の名前とか5年とか権威付けをするが中身はあいまいだ。肉に含まれる有害物質が何で、どれだけあるかは書いてない。あたかも豆腐には全く有害物質がないかのように受け取れるが、そうは書いてない。豆腐にも、肉にない有害物質が含まれているのだが、それについては触れない。

亜硫酸塩は肉製品に存在する。それは人体内で他の物質と化合し、ニトロソアミン(非常に強力な発ガン物質)を形成する。

これはどうだろう。亜硫酸塩が多い食品はワインで過発酵防止のために昔から添加されている。見た目をきれいにするために、ドライフルーツや甘納豆、エビ、干瓢、蓮根、栗、干し柿には必ず使われており、これらに比べれば肉への自然含有ははるかに少ない。肉を排除して菜食を薦める根拠にはならない。亜硫酸塩と反応するアミノ酸は血液中に食べ物によらず一定含まれる人間にとって必須のものだ。

炭火焼ステーキ1キログラムには600本のタバコに含まれているのと同量のベンゾピレン(強力な発癌物質)が含まれる。
こういうことを言われると、ガンに悪いことで知られるタバコよりも牛肉がさらに悪いように聞こえる。ベンゾピレンというのが何かといえば、焼却炉などで有機物を燃やしたときに不完全燃焼で生じるものだ。空気や水を汚染して問題になる。当然、色んな食物にも微量に含まれ、含有量の多いものは規制されている。肉に多いわけではないのだが、「炭火焼き」でいっぱい焦げ目をつければ不完全燃焼でベンゾピレンを生じる。これは焼きナスでも同じことだ。その分量もさほど多くないのだが、これをわざわざタバコと比較する。タバコはいろいろ有害物質を持っているが、特にベンゾピレンが多いわけではないから600本に相当することになる。600本は50gだから、焦げ目をつけても40分の1にしかならない。ちなみにベンゾピレンが多いとして、日本からEUへの輸出が禁止されたのは鰹節だ。

ベジタリアンの食事は、フリーラジカル形成を妨げる物質が豊富である。酸素分子は体内で新陳代謝の連続によりフリーラジカルに変化する。この過程で電子を失って生じる分子を「フリーラジカル」という。これらの分子はすぐに他の分子から電子を奪い始めるが、この連続がさらにフリーラジカルを産み、その過程で脂肪酸、タンパク質、炭水化物、デオキシリボ核酸(DNA)に損傷を与える。 今日、60あまりの病気がフリーラジカルと関係があり、アルツハイマー、関節炎、多発性硬化症、そしてむろんガンも含まれる。 ベジタリアンの食事は自然にビタミンA、レチノイド、プロテアーゼインヒビターを含み、これらはフリーラジカル化の過程を阻害し、ガンの発達を停止させる能力があることが示されている。

この書き方は、もう少し手が込んでいる。難しそうなことを色々書いているが、大半はフリーラジカルの説明でしかない。結局、フリーラジカルが色んな病気と関係があり、ガンもその中の一つであるということに過ぎず、ガンとの関係は明白ではない。野菜食がフリーラジカルの発生を抑える理由は、「ビタミンA、レチノイド、プロテアーゼインヒビターを含む」からというのだが、ビタミンAは肉に多いし、レチノイドが多いのはレバーだ。これらがなぜフリーラジカルの発生を抑えるかは書いてない。根拠があるような雰囲気だけを作るもので中身はあいまいだ。

なぜ、こういった論理とも言えないレトリックが通じるかと言うと、ベジタリアンにとって理屈はあとからつけたものなのだ。大本の発想しては現代文明に対する不信だ。「昔は肉を食べていなかったから菜食が良いに決まっている」「植物は青々とさわやかだから良いに決まっている」「動物は汚らしいから肉は悪いに決まっている」。こうした宗教的ともいえる結論が先にあり、理屈は飾りにすぎない。

事実としては、人類100万年の歴史は、人間が本来食動物であったことを示している。穀類を主食としだしたのは、ここ何千年くらいに、文明が発達して本来の食生活がゆがめられた結果だ。太陽と水を原料にした植物はたしかに十分な栄養素を含んでおり、牛は草を食べるだけで、立派な血肉を作り上げる。しかし、そういった栄養を体内に取り込むためには、6つの胃で反芻したり、非常に長い腸を駆使する必要がある。草食動物の機能を持たない人間が、牛のまねをするのは無理だ。草食動物に植物をアミノ酸系に変換してもらい、この肉を食べて容易にたんぱく質を取るるのが食物連鎖における肉食動物の立ち位置だ。肉食が自然な姿なのである。

狩猟生活はその日暮らしで安定しない。文明が発達して穀類なら安定して入手できるようになって、人間はすっかり穀物に依存するようになってしまった。糖類は体にため置きが出来て飢餓に強い。余分に取った場合、脂肪に変換して体内に貯めておける。体脂肪の蓄積は脂肪を摂取することではなく、糖類の摂取で起こるのだ。際限なく糖類を摂取してしまう機構が人間にあることが仇となって、十分すぎる食物がある時代には、様々な問題が生じている。糖類だけで、無限に増殖を繰り返すことが出来るガン細胞の発生もその一つだ。

ガン細胞を制圧するには、糖類を絶つのが一番だ。人間の活動に必要なカロリーは、ガン細胞が好まないたんぱく質や脂肪で取ればいい。たんぱく質や脂肪はがんと闘う白血球などの免疫物質を作り出すこともできる。野菜を主食として大量に食べるのが本当のベジタリアンかも知れないが、実際にはカロリーを玄米食など穀類に依存してしまっている。これではガンを征圧できない。糖質を控え、しっかり肉類を食べること、これがガンと闘える食事療法なのである。ベジタリアンの欺瞞を見抜く必要がある。

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