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お笑い軽減税率 [社会]

公明党が「軽減税率」を看板にして久しい。選挙の時も「いまこそ軽減税率」といったポスターを出していた。いかにも減税するような表現だが、実際は増税である。5%から8%に値上げしたばかりの消費税のさらなる値上げに関して、食料品は8%に据え置くということらしい。

公明党は金魚のフン。何でもいいから自民党にくっついて、政権与党のおこぼれにあずかりたいというのが本音だろうが、軽減税率が戦争法案や秘密保護法に公明党が賛成する口実になって来ているのだから、まさか引っ込めるわけには行かないだろう。

しかし、それすらも怪しくなってきているのだから、完全になめられている。自民党は生鮮食料品に限るということにしたいらしい。食生活を支えているのはもちろん加工食品だ。生鮮食料品に限った2%がどれだけのものかは誰でもわかる。しかも減税ではないから「軽減」にはなりえない。「軽減」税率とするには増税を止めるしかない。

盛んに協議している事を強調しているが、自民党と公明党の協議はお笑いでしかない。両者は「税と社会保障の一体改革」で合意している。社会保障は全て増税でまかない、防衛費などは一切削らないという合意だ。社会保障が必要な老齢人口が増えているのだから、この合意を続ける限り、「軽減」税率などあり得ない。所詮は増税なのである。

「税と社会保障の一体改革」と言うのは、そもそもが憲法違反の合意だ。憲法25条は、「国は社会保障の向上及び増進に努めなければならない」と、はっきり定めている。他の支出をなんとか抑えて、社会保障を充実させることが国の使命なのだから、増税がなければ社会保障を削るなどと居直るのは、任務放棄に等しい。

まして、今回は、企業減税と軌を一にしている。かつて50%だった法人税は20%台にまで下がろうとしている。この財源が消費税だったことは、今までも明らかなのだが、今回はあからさまに時期を合わせているから露骨だ。国民は、収入の10%を大企業に寄付させられているというのが現実だ。

公明党が、自民党になめられているのが、軽減税率に関する協議で、よく見えるのだが、実は、一番なめられているのは国民だ。原発再稼働も、諸費税値上げも、秘密保護法も、戦争法案も、すべて国民の多数意見と異なることをしている。それでも、自民党は安定多数を維持しているのだから、これこそがお笑いだろう。ここまでひどい政府を選挙で存続させている国民は、なめられても仕方がないかもしれない。

ラグランジェの華麗な数学テクニック------未定乗数法 [雑学]

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ジョセフ・ルイ・ラグランジェはイタリアの生まれの数学者だが、活躍したのは、革命の熱気が立ちこめるフランス・パリだった。ラグランジェ補間だとか、解析力学のラグランジェ方程式で知られるが、数式をひねくり回す技術の達人である。彼の数学テクニックの華麗さは見事と言う他ない。ラグランジェ方程式の導出に使った未定乗数法が、統計力学にも、有限要素法にも、数理経済学でも必須となっている。多変数でも、多条件でも、最大値を求めたり、最適化をする場合は、ほとんどこの方法が使われる。最適化は、どの分野でも大きな関心事だ。

簡単のために、二次元で話を進めよう。f(x,y)の最大値を求める問題だ。単純な最大値問題なら、微分=0として解けばいいのだが、これに条件g(x,y)=0が加わるとややこしい。g(x,y)の詳細を個別に検討しないとなんとも言えないように思われる。しかし、ラグランジェの方法を用いれば、g(x,y)が何であろうと、

h(x,y,λ)=f(x,y)+λg(x,y)

をx,y,λでそれぞれ微分してゼロとして解けば良いということになる。複雑な束縛条件が、まるで魔法のように消えてなくなる。なぜそうなるのかは、自明ではない。ましてや、彼がどのようにしてこの方法を思いついたのかは凡人の知るところではあり得ない。その中身を少し見て見よう。

f(x,y)の最大値というのは、等高線が示された地図の最高地点を求める問題と同じだ。言うまでもなく最高地点は、山頂である。dF/dx=0 dF/dy=0 を解けばすぐに求まる。条件g(x,y)=0というのは、山道のようなものだ。山道Sに沿って歩くとき、一番高度の高いのはどの地点かという問題が条件付最大値問題に当たる。この場合も、地図の上では簡単にP点であることがわかる。しかし、これを式で解くにはどうするか?

P点の特徴は、山道Sと等高線が接していると言うことだ。つまりSに沿って歩けば、上りから下りに移る平坦な所があり、そこが最高点だ。Sに沿っての f(x,y)の微分はゼロになる。しかし、道の左右は山肌ないし崖になっており、Sに沿わない方向への微分はゼロでなく、傾きを持っている。ここがタダの最大値問題と違うところだ。Sは曲がりくねっておりS方向などと言うものは一定ではないから困る。

勝手に導入した関数ではあるが、h(x,y,λ)をもう少し良く見て見よう。S上の全ての点で、g(x,y)=0だからS上では、λがなんであろうとh(x,y,λ)はf(x,y)と同じ値を取る。しかし、Sから少し外れると、g(x,y)はゼロでない値を持ち、λg(x,y)だけf(x,y)と違ってくる。この違いを、 f(x,y)の傾きと逆に合わせてやれば、ハズレ方向の傾きをゼロにできる。つまり、λの値を調整すれば、h(x,y,λ)はP点でのSでない方向の微分がゼロになるようにできることになる。

S上ではh(x,y,λ)と f(x,y)は同じ値なのだから、もともとh(x,y,λ)のS方向の微分はゼロだ。2次元で2方向の微分がゼロなら、どの方向の微分もゼロになる。平面の傾きはは2軸で決まってしまうからだ。だから、P点ではx方向の微分もy方向の微分もゼロになる。λでの微分は条件式そのものだからもちろんゼロになる。ラグランジェは、得体のしれないS方向を、x方向、y方向にすり替えてしまうのだ。

h(x,y,λ)は勝手に作った関数だから f(x,y)とは異なる。しかもλは未定だ。しかし、目的はP点のx,yを求めることだから、そんなことはどうでも良い。3つの式があれば3つの未知数が求まる。こうして、条件付きの最大値問題が何でも解けるようになった。その時のλは偶然の値ではない。これが物理的意味を持つことが、このテクニックのさらなる凄さだ。統計力学の分配関数はλとして求められる。

翁長知事の意見陳述が素晴らしい [政治]

行政訴訟で沖縄の翁長知事の陳述が話題になっている。沖縄の基地問題をこれほど適確に表現しているものはない。「沖縄県民は自由、平等、人権、自己決定権をないがしろにされて参りました。」この事実が、ひしひしとせまる。

本土の人間は、なぜ沖縄の人たちが、保守も革新も含めて、辺野古基地に反対しているかを理解していないのではないだろうか。那覇の住宅地に隣接した普天間基地を辺野古に移したほうが少しは負担が軽減するのではないかと思っている人が多い。

翁長知事は「沖縄が米軍に自ら土地を提供したことは一度もありません」と言っている。普天間は、米軍が武力占領して勝手に作った基地だ。米軍の専有は不当であり、沖縄に「返せ」と言う権利がある。事実、民意に押されて普天間の一部は、わずかではあるが、返還せざるを得なくなった実績がある。ところが、辺野古は日本が作って米軍に差し上げる基地だ。沖縄には「返せ」と言う権利がなくなる。ここが大きな問題なのだ。

冷戦の時代、ソ連の脅威に対抗するために沖縄の基地がいると強調された。冷戦が終わったら、今度は北朝鮮、中国の脅威を持ち出す。さらに中東のイスラム過激派に対抗するとも言い出した。これでは、いつまで経っても沖縄の基地はなくならない。未来永久に基地が固定化することになる。

翁長知事は、「国土面積のわずか0・6%しかない沖縄県に、73・8%もの米軍専用施設を集中させる」ことにも納得しない。日本の防衛のためなら、こんな配置はおかしい。日本全土を守らなければならないはずだ。米軍の駐留についても、「海兵隊の機動性、即応性、 が必要」と言うのはおかしい。それがあるなら沖縄でなくとも良いはずだ。アメリカの軍事専門家は、沖縄は中国に近すぎてミサイル攻撃に耐えられないから出撃基地として脆弱性が高いと指摘している。沖縄の基地を正当化するあらゆる理由が納得の行かないものなのだ。

翁長知事はもともと自民党だから、自民党の防衛論に反対ではなかった。しかし、防衛という観点では、どうしても沖縄基地の永久固定化には納得が行かなかった。「中谷防衛大臣とお話をしたとき、巡航ミサイルで攻撃されたらどうするんですか、と尋ねました。すると大臣は、ミサイルにはミサイルで対抗するとおっしゃった 。沖縄県を単に領土としてしか見ていないのではないか、140万人の県民が住んでいることを理解していないのではないかと申し上げた 」沖縄の基地は国民を護るためではないということがわかったのである。

この裁判は、前任の仲井真知事の承認を取り消すことで起こった。確かに仲井真知事の行動は不可解だ。仲井真知事は「生活環境及び自然環境の保全を図ることは、不可能と考える」と意見表明していた。その一ヶ月後に承認したのだが、その間基地計画に何の変更もなかった。政府の裏工作の結果としか考えようがない。補助金などに釣られたのかもしれない。

沖縄は、3000億円の沖縄開発庁の予算があって、特別に優遇されていると言われているが、翁長知事はそれを誤解だという。沖縄が基地で成り立っていると言うのも誤解だ。他の県は各省庁ごとの項目で補助金を受け取っており、まとまって見えないだけだ。「地方交付税と国庫支出金等の県民一人あたりの額で比較しますと、沖縄県は全国で6位、地方交付税だけでみると17位であります。」と言っている。見かけの利権に踊らされた仲井真県政の愚を見通している。

行政訴訟裁判は、安倍政権が法律を言葉の上でもてあそぶ策術だ。沖縄防衛局長が行政の不備による被害者の私人として訴え、中央政府がそれを取り上げて沖縄県知事に是正を命令するなどということが茶番なのはだれでもわかる。こういった裁判での陳述に翁長知事は最大限の努力をして、国民全体に訴えているのだ。しっかりと受け止めなければならない。

社会福祉の削減スパイラル [社会]

社会福祉費用が、年々増大している。あの冷酷な安倍内閣でさえ社会福祉予算の絶対値は増額せざるを得ないほど経費の増大が激しい。政府の対応は、福祉の質を落として費用を抑制することだが、そんなことでは追いつかない。

実は医療費の増加は避けようがないものだ。医学の進歩で人間が長生きできるようになったのだから、当然費用がかかる。一度の大病で死んでいた人間が、2度3度まで命を取り留めるのだから、その度に費用をつぎ込まなくてはならない。もちろん、効率的に運用することは大切だが、それだけで収まらず、一人の人間が死ぬまでに使う医療費の額は必ず増大して行く。

医療費に限らず、介護や生活保護などの社会福祉も、自分で稼げなくなる年齢まで生き延びる人が増えれば自然に増えていく。ところが、政府は「税と社会保障の一体改革」などという無茶苦茶な方針を立てている。防衛費や政党助成金、バラマキ予算といった無駄遣いは一切減らさず、社会保障費の増加ははすべて増税でまかなうと言うことだ。

福祉が国家予算を圧迫するなどと考えるのは本末転倒である。食うため、命をはぐくむために働くのが人間の本性であり、それを社会的に実現するために国家がある。外交努力で軍事費を減らしたり、政府運営費など他の支出を抑えたりして、福祉のための予算をいかに作り出すかが政府の腕の見せ所なのだ。日本国憲法は25条で、福祉の充実が国家の使命であることを、はっきりと謳っている。

現在の政府にこういった認識はない。消費税を増やして低所得者の生活を困難にする。税収を増やすことを名目に企業活動ばかりを優遇する。最低賃金を低くとどめて、非正規雇用を増やす。年金も減額して支出を抑えるようにする。憲法9条だけでなく憲法25条もないがしろにする悪質政府の所業だ。

しかし、これで財政が助かると思ったら大間違いだ。結果的に低賃金労働を生み出し、無年金者を増やすことになる。若者の多くが非正規雇用で、将来の無年金者は今の数どころではなくなる。年金があったとしても、減額されて、足りないことになる。

低所得者の圧迫や年金の減額で生活保護が増大するのは避けられない。すでに生活保護はうなぎのぼりに増え始めている。生活保護の多くが老齢者である。今のところ、これにはまだ非正規雇用世代が含まれていないのだから末恐ろしい。すでに国民年金加入者の23%238万人が2年にわたって不払いになっている。

生活保護費が増大するため、結局、社会福祉費用は減らない。おそらく政府の対策は、生活保護の需給制限だが、そんなことで追いつくはずがない。老人ホームの入居費用に月12万円はかかるが、これを独居老人が稼げるはずもない。非正規雇用の未婚率は高く、無年金老人に身寄りがない場合が予想される。すでに特養費用の多くが生活保護費から支払われている。こういった人たちの医療費も当然、国の負担となる。非正規雇用が50%というのが、どれだけ危機的な状況なのかわかっていない。

需給制限が行き詰ったら、次に政府が考えることは、生活保護費の削減あるいは社会保障の放棄だろうが、これも場当たり的な対応でしかない。最低限の社会保障を削減すれば、犯罪率の増加につながることはアメリカなどの統計でもあきらかだ。警察費用。刑務所費用の増大は、社会福祉費用の増大を上回ることになる。今の政府の発想では、こういった費用の増大がさらなる福祉の削減を生み出す。

貧困の代償は大きい。大衆教育の不足が起こる。労働力の質の低下だ。新興国が生産力を高めて行く趨勢の中で、労働力の質が産業育成の決め手になるのだが、日本は決め手を欠くことになるだろう。これでまた税収が減り、福祉の削減が進む、際限ない削減のスパイラルが始まる。

行き着くところは、貧困による短命化だろう。荒廃という一語につきる未来が見えてくる。もはや政治を変えるしかない。

尊徳 二宮金次郎 [雑学]


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これからの日本はどうなるか(2016年) [経済]

歴史の大きな流れを見てみよう。世界各国はそれぞれ独自の道を歩んでいた。大航海時代に世界がつながった結果、先進国が後進国を収奪して資源を手に入れる時代となり、国家間格差が広がった。しかし、交通・通信がさらに発達すると、今度は安い労働力を求めて生産が拡散するようになった。現在も世界には大きな国家間格差があるが、あきらかにそれは縮まる方向にある。

日本は、いち早く西洋文明を取り入れ、アジアにあって先進国の仲間入りをした。先進国をまねて周辺諸国を侵略することもした。軍事侵略は第二次世界大戦で破綻したが、一転、軍事費を使わず、一切を経済に集中することで復興を遂げた。一時は、アメリカに次ぐ世界第二位の経済大国にもなった。

しかし、均一化に向かう、世界の趨勢は変えようがない。発展途上国は、次々と離陸し始めた。韓国・台湾が飛躍的に生産力を高めたし、中国の発展は目覚しい。今や、アジアの経済は中国が中心になりつつあり、日本の経済力を大幅に上回るようになった。インターネットは情報面での拡散・均一化を飛躍的に加速することになった。

人口30億のアジアの一角にある高々1億の人口を占める国であることが否めなくなる。「小さいが、独自性をもった心豊かな国」を目指すのが当然なのだが、現在の政府の対応は、大国であろうとする悪あがきに終始している。中国を上回る経済力を持とうとしたり、アメリカと組んで軍事的に中国を封じ込めようとしたり、無理筋な道をたどっている。

これから起こることは、こういった無理が破綻していくことだ。なんとしても企業活動を盛り立てようと、企業減税して消費税を増やす。軍事費を増やして福祉を圧迫する。低賃金労働を増やして企業利益を確保しようとする。こういったことは、当然国民全体の疲弊を招く。これから起こることは疲弊の顕在化である。

現在、多少ある好況感は株高に支えられているが、これは長く続かないだろう。数年毎の周期は避けることができない。2013年から始まった株高も今年からは、下降期に入るだろう。アメリカは、金融を引き締めもどし、不況に対する打つ手を確保しようとしているが、日本は金融緩和の効果さえ現れておらず、それが出来ない。金利はゼロ状態だし、国債残高も上限を超えている。打つ手がなく不況に陥った時の反動は大きい。今の株高は、日銀による株価吊り上げによるなど、人為的に支えられた部分が大きいからだ。2016年はその転機になる年だ。

アベノミックスの金融緩和でマネタリーベースは、336兆円にもなったが、このうち貨幣として流通しているのは5兆円に過ぎないという異常な事態だ。日銀の当座預金残高が250兆円である。不況で銀行資金が不足すれば、当座預金の引き出しで自動的に通貨の乱発行と同じことになり、経済は崩壊する。労働運動が壊滅して、企業収益が賃金に反映されないという構造が、結局は命取りになる。

長期的にみれば、技術開発に頼るしかないが、この分野の疲弊が激しい。長年の無策の結果が響いてくる。出口が見えないまま模索することになる。政治の転換が必須だが、国民世論の受け皿がない。政治的にも模索が続くことになる。大きな揺れのなかで、極端な右翼の進出などが起こる一方、新しい動きも出てくる。何が起こるかわからないが、今年の動きとしては、きっかけが生まれるだけで終わるかもしれない。

世界的にはイスラム諸国での葛藤が続くが、事態が大きく拡大することはない。宗教やテロはもはや一時的な現象に過ぎず、世界の流れを変えることはない。テロが世界の脅威にはなりえない。しかし、「テロとの戦い」を口実にした大国の世界支配を高めようとする動きは増していく。安倍内閣は、専らこうした政治的な流れに乗って、「大国」にしがみつこうとするが、足元が崩れて行く事は避けられないだろう。

世界の歴史は進んでいく。
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