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橋下市長が引退する本当の理由 [政治]

住民投票で大阪都構想を否認されたことを受けて橋下市長が引退を表明した。いさぎ良いとか、惜しいなどと評する向きもあるが、引退すると言うのは、実はおかしなことである。

橋下市長は、「大阪を救う道は大阪都構想しかない」「実現に命をかける」と言っていたのだ。ならば、否決されても別の方法を考えるとか、もっと多くの人に賛同してもらえるように、内容を変えて行くとかするはずで、ここで簡単に投げ出すことは辻褄が合わない。

橋下氏が大阪府知事になったのは、2008年である。何を打ち出したかと言うと財政再建の名の下に、府職員の待遇を落とし、福祉を切り捨て、民営化を進めた。既得権益を打破するとして組合叩きをやり、機構改革とかも強引に進めた。人事も独裁で好き放題をやった。

その結果がどうだったかと言うと、大阪府の財政指数は、0.83、0.81、0.76、0.72と落ち続けたのである。本当の既得権益というのは、窓口のお姉ちゃんや生活保護のおじちゃんにあるのではない。そんなものはたか知れている。箱物行政を食い物にしてガッポリ儲ける建設会社。天下りをむさぼる高級役人。補助金をせしめる大企業。こういったところには、まったく手をつけなかった。橋下を知事に送り出したのはこういった本当の既得権益勢力だったのだからやむを得ない。

華々しく登場し、府民の目くらましを担って、庶民の公務員バッシングを煽ったが、成果を問われる段階に来ると、得意の弁舌を振るっても、ごまかしようがなくなってくる。目玉だったはずの財政再建の成果は全くでなかったのだ。小さなホラがばれそうになると大きなホラを吹く。ここで、持ち出したのが大阪都構想だ。大阪府だけでうまく行かないのは大阪市や堺市があるからだ。市を解体して全部の権力を俺が掌握すれば、うまく行く。大きなホラだ。

ホラに乗せられた大阪市民の人気を受けて、市長への横滑りという離れ業もやった。しかし、いろんな綻びも出てきた。不倫問題、慰安婦発言があったし、民間人校長や区長といった独裁人事は、ことごとく失敗だった。不祥事の多さは類を見ない。独裁者の周りに擦り寄るのは、下心を持ったやからばっかりだ。「まかせて下さい」と請け負って当選させたキャンギャル議員も醜態をさらしてしまった。要するに手詰まりである。橋下人気も今後下降線をたどるばかりで、回復を望むべくも無い。自分自身の醜態をさらす前に手仕舞いを考えなければならない状況だったのだ。

思いつきで始めた大阪都構想も、ここまで来て大看板になってしまった。キャッチフレーズだけで始めたことだから、具体的な検討をするとボロが出てくる。掛け声だけで押し切ることはできなくなってしまったのだ。住民投票への長丁場で、いろんな反論が出てきてしまった。その結果として、橋下市長本人も、大阪都構想の馬鹿らしさに気づいてしまったのだ。演説を聴いても都構想の打ち上げに覇気が無くなってきた。大阪の地盤沈下の原因は東京への一極集中だ。これに手を付けずに物事は解決しようがない。安倍に支援を求めたり、石原と組んでみたりする橋下市長にこれが打ち出せるはずもない。

もし、大阪都構想が受け入れられていたら、一番困ったのは橋下本人だろう。金を浪費するだけで、何の成果も出ない。市民サービスは確実に悪化するから期待は急速に失望に変わるはずだ。バレるのが怖くて、ウソを積み重ねていき、大きくなったウソがついにばれるときが来るのだ。

都構想が住民投票で否決されることは、ある程度予想されていた。拮抗はしていたが世論調査で賛成が反対を上回ったことは一度もない。市議会で否決された段階で、橋下市長は、すでに自分の花道を考えていたのだ。しゃにむに急いで、住民投票に進んでいる。なんとか通すために、支持を広げる努力をほとんどしていない。意識は、実現の意欲よりも、決着をつけてしまうことに向けられていた。

説明会でも、なんとか理解してもらおうなどと言う執念は見られなかった。「大阪都構想は素晴らしい」を繰り返すだけで、具体的な反論に対して、なんの再反論をも提示していない。まあ、出来なかったというのが正しいかもしれない。敗退後の記者会見も実にサバサバしたものだった。大嘘がばれる前に軟着陸に成功したと安堵したのである。名前もしっかり売ったし、タレントとして、弁護士として、明るい未来がまっている。

まあ国会議員として発言力を確保することは、やるかもしれない。200%やらないと断言しておきながら、平気でひっくり返した実績もある。

日本を道連れにして崩壊するアベノミックス [経済]

アベノミックスは異次元金融緩和ということでスタートした。すでに低い金利をさらに低くして企業の投資を呼び起こそうというものであった。どこまで低くするかは、2015年末までに物価上昇が2%という目標を設定した。低金利で設備投資が進み、生産が拡大し、賃金も上昇し、結果として物価もあがる。引き続くデフレスパイラルからの脱却を目指したものだ。

現在、その目標は半分の1%しか達成されていない。いや、その1%も輸入物価の上昇によるものでしかない。アメリカ経済が好調で、金利の引き上げを決めたことで、ドル高が始まった。異次元金融緩和は、もちろん円売りを後押しする。為替レートだけは、確実に動いた。円安で輸入品の価格は上がったが、国内経済は依然としてデフレが続いているのだ。むしろ輸入原料の高騰で、生産は圧迫されている。自動車の輸出は円安で加速されているが、要するに日本人の労働を安売りしているだけだ。国内では生産物が売れない。

アベノミックスは最初から躓いていた。金利を下げて、銀行に資金を提供しても、銀行の投資先はなかったからだ。製品が売れる見込みがないのに設備投資で生産拡大をする会社などあるものか。銀行は、仕方なく、その金で国債を買った。国債の金利も安く、マイナス金利という事態まで起こった。銀行がなぜそこまで金利が安い国債を買うかというと、日銀が上積み値段で買い取ってくれるからだ。日銀が銀行から国債を買えるようにしたのもアベノミックスだ。通貨を発行することができる日銀が国債を買えば、タコが自分の足を食うようなもので、貨幣価値が暴落する。

しかし、今のところ平穏には見える。日銀に国債を売った金は、日銀に預けたままになっているからだ。当座預金残高は、どんどん増えて150兆円にも達している。銀行は、この150兆円をいつでも日銀から引き出せるのだが、今のところ引き出しは行われていない。銀行が引き出しを要求した時、日銀は支払えるのか?もちろん払える。日本銀行券(札)を印刷して渡せばいいからだ。何事も起こったように見えず、その額が不気味に増加しているばかりだ。2015年末には200兆円を越えていることになるだろう。

銀行に資金不足が生じたとき、たとえば何か経済ショックが起こった時、そうでなくとも株価が下がった時には、当座預金の引き出しが始まる。それが金融インフレの始まりだ。自動的に通貨の乱発行と言うことになり、円の貨幣価値が下がり、とんでもない円安が進む。ハイパーインフレに陥り、止めようもなくなる。日本経済の崩壊だ。

株高はいつまでも続かない。時限爆弾はすでにカチカチと音を立てだした。アベノミックスが引き起こす大崩壊がいつ起こるかは、単なる時間の問題なのである。

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