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イスラム国人質事件ーー火に油注いだ安倍首相 [国際]

殺害予告の72時間が過ぎ、後藤さん、湯川さんの安否が気遣われる。「人命第一」と言いながら、一体何をしたのだろうか。政府が取った行動は、「人命どうでもよい」とどう違うのか?

この事件は去年に起こっている。8月に湯川さんが拘束された時には、湯川さんの身勝手な行動の結果だという世論も強かったので、政府は知らん顔を決め込んだ。後藤さんは、湯川さんとの関わりから10月に救出に向かい、自分も拘束されることになった。後藤さんは、ある意味で潔く、何が起こっても自分の責任だという言葉を残している。二人は拘束されてはいたが、特に「処刑」などと言われてはいなかった。イスラム国は、長期に拘束したあと、疑念が解ければ、釈放することもある。

湯川さんは、「民間軍事会社」を自称し、武器を携帯したりして、イスラム国と対立する自由シリア軍に加担する立場だったとも考えられるので、捕虜となってもおかしくない。日本政府の保護の対象ではないとして、身代金を要求されることはなかった。

しかし、後藤さんはジャーナリストだ。まっとうな日本国民であり、イスラム国も日本政府が保護すると考えたのだろう。11月に10億円の身代金を要求してきた。イスラム国から見れば、勝手に国境を犯し、進入した事に対する制裁は当然で、日本政府に金を要求するのは理にかなっている。もちろん、本音は軍資金を稼がねばならないことだ。イスラム国自体も死ぬか生きるかの瀬戸際で、格好をつけておられない。この時点で、処刑などという話はなかった。イスラム国は、何らかの交渉をしたかったのだ。

問題はここからだ。日本政府は、こういったイスラム国からの交渉要求に、取り合わなかった。安倍首相はイスラエルを訪問し、「イスラム国対策として、周辺諸国に20億ドルを供与する」と言明したのだ。国内では人道支援だなどと言い訳しているが、イスラム国対策だということは、英文でははっきりしている。これが、イスラム国側からの交渉要求に対する回答となる。

20億ドルをよこせというのは、明らかに、安倍発言に対する抗議だ。72時間以内に回答がなければ処刑だというのは、当然のエスカレーションではある。二人の処刑は、安倍発言によって引き出されたものだ。

人質を取って金を要求するなどということは、もちろん、まともな行為ではない。弁護する余地のない悪行である。しかし、その背景は複雑だ。事件はシリア国内で起こっているが、日本政府は、シリアに大使館すらなく、シリア政府と絶縁状態になっている。アラブの春で立ち上がった反政府軍に、早々と肩入れしてしまった。自由シリア軍は、アメリカを始めとする国外からの資金・武器援助で成り立っていた。

内戦が膠着すれば、当然、反政府の中身が問われる。西欧諸国の力関係で線引きされた国境が、現地で生活する人々に意味がないことはあきらかだ。イラクから広がったイスラム国運動が反政府の潮流の中で勢力を伸ばしていった。結果的に、シリアに関しては、日本は政府側とも反政府側とも連絡が取れない状態になってしまった。

このような状態で、「イスラム国対策として、周辺諸国に20億ドルを供与する」などというばら撒き外交をする安倍首相の外交センスのなさは、物笑いの種だ。なんでもかんでも、アメリカの尻馬に乗っておれば良いというアホさはいい加減にしてほしい。

日本は、憲法9条を持つ国として、外交に特異な強さを持てる。世界をリードする外交を展開してしかるべきなのだ。

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