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勇気が出せない有権者--2014衆院選 [政治]

2014年の衆院選は奇妙な状況を示している。この間、安倍内閣のやって来たことは、ことごとく不評である。原発再稼動は、過半数の国民が嫌がっている。秘密保護法は60%が反対した。集団的自衛権も過半数が否定的だし、消費税増税にいたっては80%が反対するというありさまだ。アベノミックスなる経済政策にも、だれも期待していない。

ところが、選挙の予測では自民党が単独300議席を獲得してしまう様相だそうだ。野党がだらしないとしか言いようがない。政府はアベノミックスを前面に打ち出した選挙だとしている。貿易赤字が続き、GDPまでマイナスになるという事態で、これから経済政策の破綻が明らかになってくるから、その前に選挙をやってしまおうというのが、安倍内閣の魂胆であることは見え透いている。

ところが、民主党が言っていることは、「庶民に恩恵が行き渡っていない」と不満を言うだけである。不満を口にするだけで対案がないのだ。これでは、批判にすらならず、どの選挙区であろうと得票一位を期待できるはずがない。

アベノミックスとは、いわゆるトリクルダウン理論のことだ。景気がよくなれば全て良くなる。景気を牽引するのは大企業と富裕層だ。だから、大企業と富裕層に減税して、庶民が消費税で負担すればよいというものだ。雨だれが滴り落ちる(tricle dpwn)ように、自然に庶民も潤ってくるのだという。

基本的には、有力野党は全部この理論に賛成してしまっている。消費税の値上げは、民主党が言い出したことだし、維新も、生活も、はっきりとした批判が出来ていない。社民でさえ、村山内閣の時代に3%から5%に値上げした実績がある。消費増税をやめて、大企業と富裕層に負担させるほうが消費を向上させて景気がよくなるという政策を掲げているのは、共産党だけだ。

これは何も、共産主義者だけが考える特異な政策ではない。アメリカのオバマ大統領は、はっきりとトリクルダウン理論を否定して、貧困層への援助こそが景気の底上げに必要であり、富裕層への課税を訴えている。アメリカ大統領ですら言うことを、日本で主張しているのが、10議席にも満たない共産党だけと言うのが異常なのだ。

小選挙区制の弊害だと思われる。小選挙区では得票一位でなければ当選できない。一位当選の実績が多い自民党と似たことを言うのが、当選だけを目的にすれば、一番効果が高い。そろいもそろって、右へ倣えの状況なのだ。ところがどっこい、模倣には迫力がない。いくつもの選挙区で、野党候補は苦戦することになる。小選挙区制が続く限り、一党支配は強まっていくだろう。

政策的には、明確な反対派である共産党が対抗するしかない。しかし、その壁は厚い。候補者の言うことはそれぞれに異なるのだが、90%の候補者が一致して声を大にするのは「共産党には投票するな」である。マスコミも「野党協力」とか「野党再編」と言うときに共産党は入っていない。伝統的に共産党=特殊な考え方といったレッテル貼りが横行している。

原発再稼動に反対するのは良い。秘密保護法に反対するのも良い。消費税に反対するのは当然だ。しかし、それを票にするのは奇人変人という扱いになる。空気を読んで気配りする日本人には、常に一般人=多数派でありたいという心情が働く。公的紙片(投票用紙)に極少数派政党の名前を書くなどと言うことには、かなりの勇気がいるのだ。

多くの有権者は自分の考えを投票に反映する勇気がもてない。行き場のなくなった票が、結局自民党の懐に落ち込む。それが、しらけた選挙の実情なのである。自分の考えと候補者の提示する政策をくらべて、さらりと投票できるというのが民主主義の条件なのだが、まだまだ世間のしがらみは強いということだろうか。


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keitan

共産党は特殊なのではなく、余りにも普通なので取りつくしまがないと思われているのです。イメージで言うと、平均所得の無趣味なサラリーマンです。贅沢な要求をすることに慣れている現代人には詰まらないし、そのような平凡な人々が政権を担ってもびびり尽くすだけと見られているのです。
 なので共産党の主張を実現するには民主党と組み、民主連合政府を実現するしかありません。実際に民・共の連立政権となっている地方自治体もあります。
by keitan (2014-12-08 09:19) 

おら

コメントに気づかず遅くなって申し訳ありません。

今、2016年ですが、おっしゃっていることが的を得ており、野党共闘が現実となってきましたね。有意義なコメントをありがとうございました。
by おら (2016-10-16 15:44) 

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