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なぜ日本発の抗がん剤が出来ないのか [サイエンス]

野田首相がNHKのインタビューで、日本が医薬品の輸入国になっていて、貿易収支が赤字であることに言及していた。色々と目配りしているなと思った人もいるだろうが、住友化学の長谷川社長に入れ知恵されただけのことだ。実際、医薬品については輸出は輸入の三分の一ほどしかない。

日本ほど医学部偏重の国はない。どの大学も医学部の偏差値は格段に高い。優秀な研究者をかき集める分野だ。研究費もバイオと名が付けばバブルと言われるほど潤沢だ。新聞では絶えずガン研究の成果が披露されている。ところが医薬品が外国頼みとはどういうことだろう。

野田首相は、大学と企業との連携が悪くて、研究成果が産業に生かされておらず、もっと企業の要望に答えることができる大学に変えていかねばならず、メリハリをつけた予算配分が必要と言っていた。そんなはずはない。

医学部が製薬会社と結びついていることは誰でも知っている。この上なく連携はいいのだ。大学の経常研究費をどんどん減らして重点と認めたところに集中する「メリハリをつけた予算」はこの20年、一貫して進めてきた結果、ほとんど経常研究費は無くなる所まで来てしまっている。

研究とは言うまでもなく失敗の連続だ。七転び八起きで散々失敗をした挙句にやっと成功するものだ。このことは誰でも理解できるはずなのだが、不思議なことに、誰でもわかる理屈が、政治家や官僚には理解できない。

官僚が研究費にメリハリを付けたらどうなるか?「失敗が続いているがもう少しがんばりたい」などという研究は簡単に切り捨てられる。「確実に成果がでます。失敗などしたことがありません」というような研究ばかりがはびこる。こんな研究がどんなものかは想像がつくだろう。新しい原理にもとづいた抗がん剤などできっこないのだ。

最近の日本の研究成果はアドバルーン型が多い。「新発見.....糸口をつかんだ」「新発明......実用化が期待される」などだが、実際には実用にはなり得ないものだったり、発見が確定できていないものがほとんどだ。失敗が続き、苦労するのはこれから先なのだが、そんな事をやっていては予算が取れなくなる。

実用に程遠いところで放り出されても困るというのが企業側から見て連携の取れていない所だろうが、実は研究テーマがアドバルーン型であることが本質なのだ。メリハリなど付けずに、一律配分して、じっくりと研究できるようにすることこそ、学問的にも価値があり、また本当に実用になる成果を生み出すのだ。金につられてやる研究にまともなものはない。



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