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確率の魔術 [社会]

博打の必勝法として「倍々法」と言うのが知られている。最初1000円掛け、負ければ掛け金を2000円に増やす。また負ければ4000円に増やす。こうして「倍々法」で掛け金を上げていけばいつかは勝つだろうからその時点で必ず差し引き1000円の利益がでる。

博打に必勝法があるなどと言う理屈を頭からは信じない友人を相手に、マッチ棒で実際に丁半のサイコロ賭博けをやってみた。2,3回毎に僕の勝ちとなり、その度にマッチ棒を一本ずつへらして行ったので彼は降参してしまった。大体は思った通りの結果だった。

実は「大体は」と言うところが問題なのだ。この原理で言えば誰でも博打で儲かることになるが、もちろんそんなことはありえない。彼がもう少し辛抱強く勝負を続けておれば、6連敗して僕が大敗になるケースもあったはずだ。確率は1/32だ。何回も続けて「半」ばかりが出ることはないだろうということで、小さな確率をゼロにしてしまうところに「倍々法」のごまかしがあるのだ。

実は原発についても同じことが言える。原発を停止すれば電気代が上ると言われている。原発の発電コストは火力発電、水力発電に比べて安いからだ。しかし、今回の原発事故の費用を入れれば、原発の発電コストが安いとはいえないことは明らかだろう。

原発の発電コストが安いなどという試算は、事故が起こる確率をゼロにしてなされたものだからだ。「小さな確率」は決してゼロではない。一度事故が起これば、その費用たるもの莫大である。期待値は確率X費用なのだから、費用が大きい場合には確率は低くとも、期待値は大きくなる。原発の発電コストは事故の対策費用も含めて見直さねばならない。

食品会社が衛生対策をないがしろにしてユッケを販売したのも確率の低い食中毒の対策費を無視して「儲かる」と判断したからに他ならない。機関投資家が潤沢な財力を背景にやっているのも倍々法と同じようなことで、サブプライムローンにつぎ込んで行き、破綻の確率がゼロで無いことを無視するものだ。破綻した場合は公的資金をつぎ込んでもらえるから当事者は役員報酬をしっかりもらって、痛くもかゆくもないから始末が悪い、


小さな確率をゼロにしてしまう魔術は世の中に蔓延している。


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