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なぜ日本発の抗がん剤が出来ないのか [政治]

野田首相がNHKのインタビューで、日本が医薬品の輸入国になっていて、貿易収支が赤字であることに言及していた。色々と目配りしているなと思った人もいるだろうが、住友化学の長谷川社長に入れ知恵されただけのことだ。実際、医薬品については輸出は輸入の三分の一ほどしかない。

日本ほど医学部偏重の国はない。どの大学も医学部の偏差値は格段に高い。優秀な研究者をかき集める分野だ。研究費もバイオと名が付けばバブルと言われるほど潤沢だ。新聞では絶えずガン研究の成果が披露されている。ところが医薬品が外国頼みとはどういうことだろう。

野田首相は、大学と企業との連携が悪くて、研究成果が産業に生かされておらず、もっと企業の要望に答えることができる大学に変えていかねばならず、メリハリをつけた予算配分が必要と言っていた。そんなはずはない。

医学部が製薬会社と結びついていることは誰でも知っている。この上なく連携はいいのだ。大学の経常研究費をどんどん減らして重点と認めたところに集中する「メリハリをつけた予算」はこの20年、一貫して進めてきた結果、ほとんど経常研究費は無くなる所まで来てしまっている。

研究とは言うまでもなく失敗の連続だ。七転び八起きで散々失敗をした挙句にやっと成功するものだ。このことは誰でも理解できるはずなのだが、不思議なことに、誰でもわかる理屈が、政治家や官僚には理解できない。

官僚が研究費にメリハリを付けたらどうなるか?「失敗が続いているがもう少しがんばりたい」などという研究は簡単に切り捨てられる。「確実に成果がでます。失敗などしたことがありません」というような研究ばかりがはびこる。こんな研究がどんなものかは想像がつくだろう。新しい原理にもとづいた抗がん剤などできっこないのだ。

最近の日本の研究成果はアドバルーン型が多い。「新発見.....糸口をつかんだ」「新発明......実用化が期待される」などだが、実際には実用にはなり得ないものだったり、発見が確定できていないものがほとんどだ。失敗が続き、苦労するのはこれから先なのだが、そんな事をやっていては予算が取れなくなる。

実用に程遠いところで放り出されても困るというのが企業側から見て連携の取れていない所だろうが、実は研究テーマがアドバルーン型であることが本質なのだ。メリハリなど付けずに、一律配分して、じっくりと研究できるようにすることこそ、学問的にも価値があり、また本当に実用になる成果を生み出すのだ。金につられてやる研究にまともなものはない。



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恐るべし中国の基礎科学 -ニュートリノ実験- [社会]

物理学で最近最も熾烈な競争が展開されているのはニュートリノ振動の観測だ。陽子崩壊実験のために建設されたカミオカンデが偶然スーパーノバのニュートリノを捉えたことから、日本がこの分野で世界に先駆けることになった。

太陽ニュートリノの観測で、ニュトリノ振動の存在を確定的なものにして、トップに立った。その後もスーパーカミオカンデが世界最高のディテクターとして優位に立っていた。各国で次々に観測が始まったが、太陽ニュートリノは日本の圧勝だったのではないだろうか。

自然観測の次の段階は加速器を使ったより精密な実験になる。日本では高エネルギー加速器研究機構からのビームを立ち上げ、K2K実験が加速器実験の先鞭をつけた。一番乗りを果たしはしたが、精度は足りず、結果としては太陽ニュートリノ観測以上のものは出せなかったと言えるだろう。

加速器実験となれば、もちろん、世界各国も黙ってはいない。ヨーロッパではOPERAアメリカではMINOSが立ち上がり、強力な加速器のビームにものを言わせて実験を進め、ニュートリノ振動に関わるパラメータのうち、θ12、 Δm212が測定されてしまった。加速器のエネルギーが12Gevでは太刀打ちできない。

残された課題であるθ13パラメータに挑むため、日本は800億円をかけて東海にJPARC加速器を作り、T2K実験を開始した。これで、パラメータ決定で後塵を拝したヨーロッパ、アメリカを一気に追い越すつもりだったのだ。

競争に参入したのは欧米だけではない。ニュートリノは太陽、加速器だけではなく原子炉からも出てくる。原子炉なら多くの国が持っている。原子炉の場合雑音が多いのでバックグラウンドの排除という難しい問題を抱えるがビームは強い。フランスのDoubleChoozがさきがけとなって韓国がRENOを立ち上げ、中国も遅れてDaya Bayを立ち上げた。

先頭を切っていたのは、2010年12月にT2K実験を開始した日本だと言えるだろう。ところが、3月11日に地震が起こり、JPARCの加速器が停止してしまった。震災までの3ヶ月分のデータを解析して確かにニュトリノ振動があることは認めたれたが、6事象に過ぎず、もちろんこれではθ12の決定には程遠い。T2Kが再び動き出すのが2012年4月ころだから、T2Kがθ12を見つけるのは早くても2014年くらいになるだろうと予測された。

こうなってくると韓国のRENOが俄然有利となったように思える。RENOの実験は3年に渡ってデータを集積し、θ12は3°以上と言うところまでつきとめているからθ12を決めるまではあと一息というわけだ。日本のT2Kが復帰すれば追いつける可能性も高い。Minosも近い所まで来ている。OPERAも追い上げて2013年はまさにニュートリノ競争の年になった。

ところが2013年3月8日、いきなり中国のDaya Bayが結果を発表した。実験開始後わずか55日で 8.8°と言う値を得た。誤差は10%以内だ。完勝と言える。これでは、たとえ日本に震災が無かったとしても、全く歯が立たないのは明らかだから震災はいいわけでしかない。6基の2.9GW原子炉の近くに2台の100トン検出器を置き、1.7km離れたところに同じ検出器を4台並べているから、物量的にもすごいものだ。これだけの実験をやりとげる科学者の層の厚さがあるということだ。

中国の基礎科学恐るべし。これは800億円を棒に振った日本にとっても大変なことだ。欧米に対しては厳しい競争と認識していたが、正直なところまさか中国に負けるとは思っていなかっただろう。金儲けにならない基礎科学でもこの状態なのだ。中国製品は安いけど質が悪いなどと言っておれるのもあと数年だろう。本気で考え直さないと日本は確実に立ち遅れる。


原発の「安全神話」と「危険神話」 [原発]

福島原発の事故前には「安全神話」が撒き散らされていた。事故後は今度は「危険神話」が蔓延しているようだ。放射線は何が何でも危険なもので、科学は人類に厄災をもたらすとする一種の反科学主義に落ち込んでいる。

もちろん、放射線は浴びないほうがいいのだが、どうしても浴びてしまう自然放射線量を考えて、それより小さいものはあまり気にしないのが正しい怖がり方だと思う。自然界にはラドンのような放射性物質があるし、体内にはカリウム40がある。宇宙線もあるから、年間1mSVくらいはどうしてもあびてしまう。これに加えて原発事故由来のセシウムがあるわけだから、心配すべきは1mSVに比べて無視できない以上のセシウム被爆だろう。

ところが、「危険神話」の信者たちは自然の放射線と原発の放射線は違うと言う。カリウム40の被爆とは長年共存して人間には耐性が出来ているが、人工放射性のセシウムには弱いと理屈付けしている。なんともまあ非科学的な議論ではある。「それは、いくらなんでもおかしい」などと言うものならば「御用学者の言い分と同じだ」と反論されるから困る。御用学者だってすべてがウソな訳ではないのだが、効く耳はもたない。

しかし、考えて見れば全ての人に理解を求めるのは無理だろう。多くの人はわからないなりに信用するか疑うかのどちらかなのだ。原発があまりにいい加減な対応をしていたために、サイエンス全体が不信の目で見られることになった。サイエンス全体が原発事故の風評被害者になってしまっている。


放射線の正体は素粒子であり、ベータ線は電子、アルファ線はヘリウム原子核だ。これがどこから出てこようと粒子はおなじものだ。ガンマ粒子もカリウムとセシウムで違いがあるわけではない。ベータ線やアルファ線はレンジが狭く、人体組織の奥まで行かず、結局ガンマ線に変換されて作用する。

放射線を計測して何から出たかを識別する時にはガンマ線のエネルギーの違いを見る。セシウムとカリウムではエネルギーが違うのだが、これは放射性物質から出たときの初期値の違いに過ぎない。人間の体の中を進みながら、放射線は徐々にエネルギーを失って行く。だから実際に遺伝子が受ける放射線の効果は、幅の広いいろんなエネルギーの放射線のものだ。何から出たものかの違いが出て来ようがない。

自然の放射線と原発の放射線は違うなどという議論の非科学性はこのようなものだが、ついでに「安全神話」のほうの非科学性についても述べておこう。100mSV/y 以上の放射線が発ガン確率を上げることは明らかなのだが、100mSV/y以下については、タバコなど他の原因が大きく作用して明確なデータがない。これを100mSV/yまで安全と言い換える議論が未だに残っている。人間には遺伝子の修復機能があるから、ある閾値まではガンの発生を抑えることができると理屈付けしている。

もしそのような閾値があるなら、タバコなど他の発ガン原因にも閾値があるはずだが、そんなものは見つかっていない。ガンは一個の細胞から始まる。人間の遺伝子修復機能は確率的にする抜けが起こるのだろう。確率なら放射線量に比例するはずだ。現に高線量の領域ではガン発生確率はオフセットなしで放射線量に比例している。放射線は少しでもそれに応じた発ガン確率を持っていると考えるべきだ。

100mSV/yでガン発生確率0.5%と言うのも決して小さいものではない。比例なら、1mSV/yでも10万人中5人が無差別殺人に遭遇するのだ。秋葉原の事件が毎年起こるようなものだと考えれば「たいしたことはない」とは言えないだろう。

消費税を貰う会社と、赤字でも払わされる会社 [社会]

野田内閣は熱心に消費税の値上げをやろうとしている。政権交代してやりたかったのは消費税の値上げだったのか。どうせ一回しかできない首相なのだから、もう少し世の人のためになることをすれば良いのにと思う。

消費税で消費が落ち込み、さらなる経済の悪化が予想されるが、財界はむしろ消費税の値上げを歓迎する向きがある。なぜなら、財界主流の大会社は消費税を「貰う」立場だからだ。えっと驚く人もあるだろうが、消費税は取られるばかりではなく、実は貰う会社もあるのだ。

例えばトヨタ自動車を作るのに材料費・設備費が一台当たり100万円としよう。人件費は50万円を派遣会社に払う。200万円で売ると50万円の大もうけなのだが、売り先はアメリカだ。この場合、税金を申告するとどうなるか? 消費税は日本国内での消費に対してかかるのだから、トヨタは払わなくて済む。それだけではない、設備・材料には10%の消費税が含まれているのだからこれを返せと言うことが出来る。人件費も派遣の場合は材料費と見なされるから、一台当たり15万円をトヨタは政府から貰うのである。消費税が増えれば増えるだけもうかる。

中小企業の場合こうは行かない。震災で打撃を受けた三陸の蒲鉾屋の場合、月に仕入れる材料と一ヶ月当たりの設備費が同じく100万円。従業員2人に合計50万円の給料を払う。震災のために出来た借り入れ金利が50万円。製品を200万円で売れば利益はなく、とんとんなのだが、そのときお客さんから消費税20万円をもらわねばならない。納入先の大手スーパーは強気だし、製品を腐らすわけには行かないので泣く泣く十万円の値引きをすれば、結局十万円の赤字になる。この場合、消費税がどうなるかと言うと、200万円から差引かれるのは、一〇〇万円だけだ。直接雇用の場合給料分にも消費税がかかる。赤字なのに政府に十万円を納めなければならない。銀行にも利子の10%である5万円を取られる。

赤字でも取られる会社と、大黒字でも消費税は貰う会社、その格差は大きい。苦しい会社がますます疲弊する税制では敗者復活が無くなってしまう。消費税とはそんな弱いものいじめの恐ろしい税制なのだ。
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東京オリンピック誘致に反対 [社会]

東北大震災の被害復興に悪戦苦闘しているにも関わらず、石原知事はまたぞろオリンピックを東京に誘致すると言い出している。リストラで地方の支店が閉鎖されても本社は残る。格差が増大しても金持ちが多い東京の税収はリッチだ。殿様の贅沢の行き着く所がオリンピックらしい。

言うにことかき、「震災復興に役立つ」だなどと、勝手なことを付け加えているのが嫌らしい。なんでも「復興に役立つ」と言えばいいものじゃやないぞ。

NHKのやらせ番組では「復興に役立つ」理由を、3兆円のお金がオリンピックで動き、経済を活性化するので、東北の復興に役立つなどと説明して、全員が納得していた。そのために必要な予算は5000億円に過ぎないから是非国庫からだすべきだという主張だ。5000億の見せ金があれば、民間から連鎖的に3兆円の金が出てくるそうだ。これはもはや詐欺の口上だ。

オリンピックで経済が活性化するなら、ギリシャの経済破綻はあるはずがないだろう。実際に起こることは、5000億で一部の、もちろん東京の、建設会社が大もうけして内部留保を増やすだけで終わる。東京のホテルなんかは、おこぼれにあずかるだろう。公共工事で経済活性化は使い古された手法で、もう効き目がなくなったことはこの10年が証明している。ましてや、それが東北にまで波及するはずがないだろう。それよりも復興支援の5000億をオリンピックに取られる痛手のほうがはるかに大きい。

復興に必要なのは東北で正社員が雇える職場であり、オリンピックの臨時ガードマンを東北で募集することではない。東京の会社の景気が善くなろうと、東北の田舎には何の関係もないのだ。

河村市長の南京発言の原因 [政治]

名古屋の河村市長が南京大虐殺は無かったなどと発言して物議をかもしている。南京で虐殺のあったことは、目撃者も記録もあって否定しようもないのに、どうしてこういったトンデモ発言を繰り返すのかを考えて見よう。

こういった人たちは、資料を読んだりして自分で物事を見ない。騒ぎがあれば聞きつけて便乗する人たちだ。河村氏も、名古屋市の職員給与が法外に高いと決め付けて給与削減をしているが、別に調査をして判断したのではない。世に言う公務員叩きに乗っかっただけだ。ネット右翼が騒げばそれに引きずられて発言してしまうのだ。

あとから、中国側の大きな反応に慌てて、軌道修正する。しかし、本音は変わっていないので謝罪には至らない。まあ、中国にしてみれば、日本で言えば「原爆の被害なんてたいしたことは無い。原爆がなければもっと死んでいた。」に類する発言だから、よほど気をつけてでなければ言えないことなのだが、認識が足りなかった。

河村氏が鵜呑みにしてピエロとなった右翼論調も、確実な証拠を挙げられて、何度も論破されており、外務省の公式見解も南京大虐殺の事実は認めざるを得ない表現になっている。こういった右翼は、もちろん史実を見ない。「皇軍が非道なことをするはずが無い」と信じるのみだ。

事実をいくら指摘しても、信念の目で見れば史実がすりかわる。当然ながら、混乱の中で、大虐殺の人数ははっきりしない。そうなると「30万人虐殺の根拠は無い」ことになり「虐殺の根拠は無い」にすりかわる。、30万人であろうが3万人であろうが、大虐殺には変わりない。あの東北大震災の全死者ですら2万人だ。

従軍慰安婦のときはもっと酷かった。「元慰安婦の証言に矛盾がある」「公式記録がない」から、「従軍慰安婦は一人もいなかった」になった。これを真に受けた発言をした安倍首相は盟友と思っていたブッシュに「アホか」と怒鳴られ、退陣に至った。日本軍はもちろん公式記録を焼却したし、思い出したくも無い60年前の記憶があやふやなのは当然だ。南方での裁判記録など確実な証拠だって提示されているが、信念により「従軍慰安婦は一人もいなかった」が繰り返された。

こうした摩り替わりを補強するものが、聞きかじりの「事実だ」三陸に親戚があるが誰も死んでいない。「死んだのは欲どおしくて、逃げる判断を間違った奴らだ」なんてことを平気で言うやからがいるものだが、愛国右翼はこういった発言にしがみつく。南京で死んだ人たちを悪人に仕立て上げて、皇軍無謬とつじつまをあわすのだ。

信念で凝り固まった右翼の台頭も、今の日本ではやむを得ない所がある。日本は、長らく極東の三流国だったのが、経済成長期とバブルで一流国のバッジをもらってしまった。それが、今また凋落しつつある。過去の夢が忘れられない現実逃避が右翼的信念となって沈殿しているのが現状だろう。

大阪都構想と二重行政 [政治]

橋下市長の大阪都構想というのが話題になっている。府と市の二重行政の弊害で、なかなか大阪活性化の政策が実現できないというのだ。どんな政策かと思ったら、関空から梅田への直通地下鉄とか湾岸の高速道路とかの建設が並んでいる。こんな古い手法で大阪が活性化するとは思えないが、できない理由が二重行政のためだというのが、一般人には、さらに理解できない。

大阪市が、これらの政策に反対しているわけではない。道路や路線のルートも同じことのようだ。いったいどこで意見が別れて二重行政の弊害が出てくるかと言えば、どうも最終段階であるはずの「どの会社に発注するか」で分かれるらしい。

物事の順序は逆で、まず、どの会社が工事を引き受けるかが決まらないと、細かい仕様や予算見積もりが出来ない。きめ細かな予算案を作らないとなかなか国の補助金の折衝もまとまらない。そのため、接待宴会を繰り返して、おおまかな構想の段階で、発注先の合意をまとめていく。これがプロジェクトを始動するには不可欠なプロセスなのだそうだ。

もちろん、合意の決め手は接待だけではない。選挙資金パーティー券の購入など様々なコネの太さが総合的に作用する。ところが、これが府と市に別れていては、選挙の次期も変わるし話が全くややこしいことになる。発注先の合意を取るのが大変で中々進まない.。したがってプロジェクトが実現しないというわけだ。

なんとも、まあ、馬鹿馬鹿しい話ではある。

TPP--アジアの成長力を取り込む? [政治]

TPPをめぐる議論が行われているが、反対論は、食料主権だとか、医療制度の問題とかいろいろ挙げられているが、賛成論が、どうもはっきりしない。工業製品の輸出には関税が安いほうが有利だというのはわかるが、その関税がもうすでにほとんど無くなっている。いまさらTPPに参加してところで意味は無いのだから賛成論の論拠にはならない。

賛成論の中で、時々出てくるフレーズが、「アジアの成長力を取り込む」というものである。TPPでそのようなことができるのだと言う。具体的にどうなのかの説明がないとこれは理解できない。

言うまでもなく、アジアの多くの国々は発展途上であり、外国の資本を受け入れて、安い労働力を供給しながら、工業生産力を高めてきている。これが「アジアの成長力」というものだろう。最近では安い労働力と言うより、安い技術力になってきている。

TPPで、まるで国境が無いかのように、自由な企業活動ができるようになると、確かに資本をアジア諸国に投入しやすい。つまり、「アジアの成長力を取り込む」というのは、工場をアジア諸国に移転するということだ。

企業は、アジアの安い労働力を使って、生産をすることができて、国内と同じように、別工場の部品を組み合わせられたら、コストダウンが実現できる。他の会社との競争にも勝てそうだ。企業にとってTPPは魅力的だ。

だがしかし、工場を海外移転して、日本の従業員はどうなるのだろう?TPPで海外移転が、ぐっと自由になれば、多くの会社がやるだろうから、海外移転しない会社はコスト高で競争に負ける。

国内で生産を続けるなら、派遣を使って徹底的なコストダウンをやるほか無いし、正社員賃金を下げるしかないだろう。会社は海外生産で利益を上げられるが、従業員はたまったものではない。

「アジアの成長力を取り込む」というフレーズも正体がわかってしまうと、労働者としては、賛成の論拠ではなく、反対の論拠になってしまう。

三号被保険者は不合理か? [社会]

三号被保険者というのはサラリーマンの妻で働いていない人だ。
特に保険料を払わなくても、夫が保険料を会社と折半で払って
おれば、将来国民年金がもらえるしくみになっている。

これが、不合理だから3号被保険者の制度を廃止しようという事
が言われるようになった。働いている妻は、保険料を自分で払
わなければならないからだ。さらにこれが金持ち優遇というこ
とも言われだした。

2010年の国民生活基礎調査に基づく集計では、妻が3号の割合
は、夫の年収が900万円以上で73%だったのに対し、300万
円以下では32%にとどまった。

だから、三号被保険者の制度は年収900万円の「金持ち」優遇
だというわけだが、年収200万では、妻も働かなければ食って
いけないから、この調査結果は、まあ当然のことだ。

問題は、900万円以上を金持ちとしていることだ。なぜ金持ち
の境界をここに設定するのかの根拠は示されない。900万円
と900億円が同じに扱われているのはおかしい。

もし、これを年収3000万円以上の本当の金持ちで調査すれば、
三号被保険者はかなり少ないはずだ。経営者の妻は三号被保険者
ではないし、まあ大抵の場合は形式上妻も子会社の社長とか、
何とか協会の理事長に納まることになっているから2号被保険者に
なっている場合が多いからだ。

三号被保険者が金持ちには少ないことになり、制度は別に金持ち
優遇ではないことになる。
実際問題としては、多くの三号被保険者は国民年金を貰って
いない。夫と死別後、遺族年金を貰えば、自分の国民年金は
放棄せざるを得ないからだ。

こんな細かな年金のケチりよりも、もっと大きな金持ち優遇を
なんとかしてほしい。何百億の資産を持った金持ちが、税金を
払わず、ぬくぬくとしているのが現状だ。相続税はいくらでも
ごまかせるし、配当収入は最高でも20%にしかならない。

金持は、年金のようなゴミみたいな金額に、もともと
興味はない。年金制度は、壊れてもかまわないから、安上がり
にしたいだけだ。もし、本当に年金を改良するならば、夫婦
合算年収が900万円以下は、妻が働いても、年金負担を
払う必要がないとするべきだ。
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辺野古アセスに天下り [政治]

米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に向けた環境影響評価(アセスメント)関連事業で、防衛省が2009年度〜11年度に発注した全13事業を受託した4社に同省OBが天下っていることが25日、分かった。契約金額は計約35億7千万円に上る。

またまた軍事費の無駄使いである。そもそも軍事費というのは、戦争がない限り何の成果も出さない支出だから平時には無駄使いの塊のようなものだ。すぐに軍事機密だと称して隠せるから昔から数々の汚職にまみれている。

今回は、アセスの内容が当然防衛庁よりに傾くことが問題にされているのだがそのまえに金額を見て驚くべきだろう。単なる調査で、結果は紙切れでしかない。どれだけ綿密に調査をしたとしても、35億円はないだろう。

現地調査にアルバイトを雇うと3年間毎日1000人もの調査員がいた事になる。もちろん調査船の費用とかいろいろあるだろうが、あまりに高い。報告書が7000ページだと言うが、それでも1ページ50万円の作文だ。

これが入札ではなくプロポーザル方式の随意契約で行なわれた。競争無しだからいかようにでも金を取れる。ひどいものだ。消費税を上げる前に、この無駄使いの塊である軍事費を何とかしてもらいたい。
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再雇用で年収924万円なんて [政治]

サッカーくじ(toto)からの助成を受けた個人が、競技団体の助成金負担分相当の金額を寄付の形で戻していた問題が新聞に載った。toto自体の問題もあるのだが、言いたいのはニュースの端にあった給与のことだ。

>日本カーリング協会の事務局長を辞めた10年度から、totoの「マネジメント機能強化事業」を受け、
>協会の国際関係の仕事に携わってきた。10年度は総額924万円の助成を受けたが

と言うところで、定年退職後に再雇用で年収924万円と書いてある。普通ならあり得ない話だ。これを公務員の給与に準じていると考える人もあるかと思うがそうではない。国家公務員の給与は人事院勧告で示されているが、年収900万円は部長級に当たる。決して平均的な公務員に到達出来る金額ではない。公務員の再雇用は給与が半分以下になるから、かなりの幹部でも、再雇用となれば年収500万円がいいところだ。

これは「天下り」に類するものだろう。貧乏なカーリング協会においてすらこうだから、裕福なサッカー協会や野球協会ではどんな高給がむさぼられているか押して知るべしだ。外郭団体への天下りが税金の多くを蝕んでいる。公務員バッシングで下級公務員ばかりが槍玉にあがっているし、橋下知事などはパフォーマンスとして盛んに賃下げをやって見せているが、お門違いだ。

そもそも今の官僚たちは、行政改革で出世してきた行革官僚である。公務員バッシングに対しては万全の耐性を身につけている。天下り組はいくら公務員が叩かれても痛くも痒くもない。いやむしろ、公務員を減らすという名目で今もどんどん天下りの外郭団体を増やしつづけている。行革が進めば進むほど見入りが大きい連中なのだ。

「天下りを防ぐのが先決で、それまで消費税を上げない」と言って登場した民主党政権もものの見事に丸め込んだ。行革官僚恐るべし。

政治家としての最低の条件 [政治]

政治家に多くを望むのは無理なことはわかっている。最低の条件はいったいなにかというと、「あからさまなウソを着かぬこと」と言える。正直にしろといっても無理だろう。私腹をこやすなといっても無理だろう。カネまみれになるなと言っても無理だろう。せめてなんとか言い訳をして繕えるウソにしてほしい。これは本当の最低条件だ。

野田首相は選挙のときに何を言ったか?

「マニフェスト、イギリスで始まりました。ルールがあるんです。書いてあることは命懸けで実行する。書いてないことはやらないんです。それがルールです」

こういって民主党のマニフェストを売り込んだ。鳩山もマニフェスト違反で沖縄問題でミソをつけた。しかし、彼はその責任を取るように辞任した。ところが、野田首相はもはやマニフェストのことなどおくびにも出さない。選挙の時の発現はそんなに軽いものなのか。これでは、投票のしようがない。

消費税についてはなんと言っていたか?

「消費税の税収が20兆円になるなら、またシロアリがたかるかもしれません。鳩山(由紀夫元首相)さんが4年間消費税を引き上げないといったのは、そこなんです。シロアリを退治して、天下り法人をなくして、天下りをなくす。そこから始めなければ、消費税を引き上げる話はおかしいんです」

天下りは野放しのままだし、この発言からはどう考えても今消費税を上げるという施策は出てこないはずだ。ところが野田首相はこれを平気で押し進めようとしている。これではもはや野田氏が何を言ってもまに受けることはできなくなる。

預貯金ゼロと申告しながらタンスに4億円入っていたと居直る人と同じく、国民としては全く信用できない。こういった政治家としての最低条件を満たさない人には即刻退場してもらいたいのが率直な気持ちだ。

消費税増税で財政はさらに悪化する [政治]

消費税で財政再建はできない

消費税を引き上げるこで財政再建ができるようなウソが振りまかれている。実際には消費税を増税しても財政再建は出来ない。

考えてもわかるように、もともと健全な財政運営が出来ておれば、赤字が累積するようなことはない。収入に見合わない支出をしてしまうことが赤字の原因なのだ。この体質を変えない限り、収入が増えればそれだけまた支出を増やしてしまうから結局同じことの繰り返しになる。

借金で首の廻らない人がいるとする。この人の給料を5%上げれば、その5%を使って借金を返していくだろうか?おそらく、支出を増やすだけだろうと考えるだろう。国についても同じことだ。消費税を増やしても決して財政は再建されない。

実際はもっと悪くなる。なぜかというと消費税の引き上げで自動的に支出も増えるのだ。八つ場ダムの建設費は当然5%増えるし、米軍基地の移設費用も当然5%増える。増税分だけ見入りが増えると思ったら大間違いだ。国民の消費支出のほうは増やしようもないから5%減らさざるを得ない。当然経済は冷え込むから、消費税収入も減る。結局、財政再建にまわす資金はなどどこにもなくなる。

それだけではない。浪費体質は引き継いだままだから、増収を当て込んだ支出が増えるのは明らかだ。すでにもう増税分の山分けを省庁間で議論している。結局、財政はさらに悪化するだろう。

財政再建に本気で取り組むには従来聖域とされてきた分野での削減をしなければならない。それをやれば体質が変わったことになる。重複無駄を省くとか、社会保障をケチるとか、下級公務員の給料をケチるなどと言うことは十年来言い古されており何等体質を替えることにはつながらない。

聖域とされてきたのは、軍事、皇室、政党助成金、米軍軽費である。これをがっぽり削減するならば、浪費体質は一掃される。逆に言えば、これらを温存するという体質そのものが財政悪化の原因であるから、いくら増税しても焼け石に水だということだ。

はっきりと予言しておこう。消費税の増税で余計に財政は悪化する。

大久保元秘書の供述 [政治]

 大久保秘書は前田元検事から小沢氏の自宅の捜索を示唆されたと証言。「私が真実を主張し続けると小沢先生の逮捕にまでつながりかねないと思った。自分が犠牲になってうその供述をすることが先生の逮捕を回避し、日本の政治をまともに戻す道だと考え、供述を変えた」と語った

検察側としてはここで一発突込みを入れるべきだったと思う。

「なるほど、小沢の逮捕を避けるためにはウソをついても良いと考えているということか。それなら、今も証言台で小沢のためにウソの供述をしている可能性があるということですね。」

さて、大久保君なんと答える?
親分の発言もなかなか笑える。

陸山会が購入した土地を自らの名義で登記した理由について、「登記は自分名義だが、個人資産にはしない」とした05年1月7日付の「確認書」を公表した。しかし、東京地検特捜部の捜査で、この確認書の本当の作成日は、取引から2年後の会見直前だったことが判明した。小沢氏はこの日の会見で「他の書類と一緒に作成を指示したが、落ちていたので事後的に作成しただけだ」と説明した。

「たまたま」わざわざ2年前の日付で、記者会見前に急いで確認書を作った。これで通用すると思うところが恐ろしい。資産公開でずっと「貯金ゼロ」と報告しておいて、いきなりポケットから4億円を出すというお人だ。

確かに資産公開では普通預金やたんす預金は報告義務が無い。しかし、そんな抜け穴だらけの公開法を作ったのは自民党の中枢にいた本人だから罪が深い。「抜け穴を作っといた」それが自分の政治姿勢だと表明しているようなものだ。

「政治資金報告書はサインしたが読んでいない。関心は天下国家のことにある。」そんなに忙しいのか?ゴルフに行く暇はあっても法的な義務である政治資金の報告は読まないとしたら、議員失格だ。

政治がどれだけ金のためにゆがめられてきているのか誰もが知っている。天下国家を考えるならクリーンな政治資金規正がどれだけ大切か分かるはずだ天下国家のことなんか何も考えていないと言うことではないか。

これからの日本はどうなるか [社会]

年頭にあたって思いをめぐらしてみよう。これからの日本はどうなるだろうか?

国際環境はどうなるか。まあ、ドルは危機といわれてすでに20年、おそらくアメリカは例の如く唯我独尊の道を行くだろう。ヨーロッパは通貨危機でもめているが、結局のところなんとか落ち着くだろう。騒いでいるのは投機筋の思惑によるものだから、いつかは収束せざるを得ない。大きな流れとして変化があるのはアジアだろう。今後10年、アジアの新興国が力をつけて行くことは歴然としている。問題はそれに日本が対応できているかだ。日本企業は低賃金労働力を求めて海外への技術移転を進めてきた。政府もなぜか、補助金まで出して工場の海外移転を援助しているのだから驚く。タイの洪水で生産できなくなった部品を日本で作るには技術指導にタイから現場技術者を呼ばねばならなかったことが報道されていたがこれはかなりショッキングな出来事である。これからの日本は物が作れなくなる。

外交関係でも、アジアでは中国の存在が大きくなるであることは当然予想される。なにしろ世界人口の四分の一にあたる大きな国なのだから当然である。問題はそれに日本が対応できているかということだ。実態としては、いまだにアメリカ一辺倒の外交を続けている。中国の脅威とか言って軍事バランスを保とうとしている。その内容といえば中国を沿岸に閉じ込める線でのバランスだ。そんなことが遠い将来にわたって出来るはずがない。アメリカと中国の人口をみれば、むしろハワイ辺りにバランス均衡線があって当然なのである。とんでもない勘違いをしていたら、もちろんとんでもない結果を引き起こす。無駄な軍事費を使って国は疲弊していく。

国内事情を見てみよう。はっきり言って日本経済に大飛躍する展望はない。世界人口の40分の一しかなく、しかも少子化と言うことで減って行く。世界のGNPの多くを日本のような島国に閉じ込めておく理由は何処にもないだろう。限られた経済力をどう配分して、国民全体がある程度の幸せを保つにはどうすれば良いのこを考えるべきだ。しかるに、経済発展さえあれば全てが解決すると言いはって、しゃにむに経済発展を追及するのは身の破綻でしかない。放射能をあびるか、そのほかの公害物質を浴びるのが関の山だ。

あまりにも多くの問題を抱えているので最近は話題にならないが、日本がずっと抱えている問題は、一極集中の問題だ。人口はずっと都会に吸い寄せられてきた。このせまい日本であるにも関わらず、人口希薄な限界集落がどんどん出現している。地方都市の落ち込みも激しい。すべての本社が東京に集中しだしたために、大阪ですら地盤沈下をまぬがれていない。切羽詰って橋下のようなファシストに投票する破れかぶれな大阪府民が増えているのが現実だ。これからは地方都市がどんどん寂れてゆく。津波にあった三陸沿岸の復興なんてことはあり得ない。実は津波の前から潰れる道を歩んでいたのである。

国際的にも国内的にも日本はズタズタになる。TPPで農村が潰れ、そのために地方都市の商業も潰れる。派遣業法を骨抜きにした今の政府、あるいは前の政府にもどっても同じでりっぱなしで、仕事はどんどん非正規になっていく。非正規でないのは公務員くらいだということで公務員バッシングは続く。消費税の増税でますます暮らしは立ち行かなくなり、そのことが、生活保護財政を膨らまして、また財政負担が増える。いたちごっこだ。社会保障も削って行くと確実に犯罪が増える。スラムの発生が間近にせまっている。刑務所があふれ、刑務所・警察予算がさらに財政を圧迫するようになる。

みのほどをわきまえること。この転換が行えなければ、地獄へ一直線。そういうところに日本は来ている。あれほどの原発事故をこうむっても、呑気に復興などと言って済ましているが、何もしなくても掛け声をかけておれば自然に復興するわけではないのだ。いい加減に目をさませ。

野田首相の思惑と戦略 [政治]

野田首相になって民主党のマニフェストは総崩れだ。これでは次の選挙で何を言っても信用されないことになる。多くの民主党に投票した人は落胆しているに違いない。長い間の自民党政治をなんとか変えたいという願いは、ことごとく消えた。沖縄基地も、高速道路も、八っ場ダムも、消費税4年値上げせずも全てもとの自民党路線になってしまった。

いったいどのような見通しがあって野田首相はこんな方向に舵をきったのだろうか。これを考えてみよう。

鳩山、管の前任者を引き継いだ野田首相には実は何の展望もなかった。民主党への期待は前の二人で完全に消費されていた。いまさら何をしても次回の選挙で民主党が再び優勢になろとは考えられない。どっちにしろ敗退するしかないのだ。

そうなってくると、大切なのは民主党政権が倒れてからのことになる。ズバリ野田首相が考えているのは自民党に入って院政をしくことだ。年内に環境アセスを強行してアメリカの受けをよくする。武器輸出3原則を放棄して軍需産業からも点数をかせぐ。極めつけは消費税をあげて、今後のあらゆる利権の財源を確保することだ。

どうせ民主党政権は倒れるのだから、これだけの事をして保守政界に恩を売ることがもっとも大切なことなのだ。これで自民党政権ができれば、長老として仲間入りして権勢を保持できる。政治と言うのは裏舞台でどれだけ協力かが大切なことなのだ。

なかなか深遠な戦略だ。自民党政権にならなくとも、連立やら、大連合やら、どっちにしても野田が影のキングメーカーになることが当面の目標だ。

多分、野田氏としては最良の戦略にちがいない。しかし、それに付き合わされる国民はたまったものではない。

脱原発は世のはやり [政治]

大震災以来脱原発は世の流れ、原発推進などと言うには余程の説明がいる。下手をすれば東電から買収されているのかと疑われるくらいだから原発推進派は裏に隠れる。昨日まで原発推進派だった政治家がそ知らぬ顔で脱原発を唱えたりもする。先日の福島県議選では候補者全員が反原発だったようだ。

こうなってくると、早くから原発を毛嫌いしていた社民党が反原発の元祖として注目されてもいいことになる。福島党首は事あるごとに社民党が反原発の元祖だと主張する。ところが、地方選挙でも社民党の反原発は受けない。むしろ共産党の方が反原発運動を評価されているようだ。福島の県議選でも議席を増やした。

一言で言えば「口先だけでは信用されない」ということだろう。社民党が反原発をいくら勇ましく語っても、原発推進の東電労組や連合とつるんでいるのでは何の実質もない。原発建設のゼネコンから献金を受けていたのでは反原発の本気度は知れていると思われてもしかたがないだろう。

原発推進の自民党とは連立すらやった。考えてみれば、小選挙区制も消費税も村山内閣の時に始まった。自民党の悪政の先頭部分を引き受けたのは社民党内閣だったのだ。それに対してなんらの反省も行われていない。

社会党も60年代には原発推進派だった。それが反原発に変わった理由も釈然としない。国民としては、いつまた原発推進に変わるかも知れないと思ってしまう。「口先だけでは信用されない」とはそういうことなのだ。、

「公務員をもっと増やす」という公約 [政治]

日本の地方選挙の不思議なところは、どこでも「公務員を減らす」などという公約が幅を利かせていることだ。アメリカに7年住んで、何回も選挙に行きあったが、公約はどこでも「公務員を増やす」だった。学校の先生を増やしたり、消防士を増やしたり、ホームヘルパーを増やしたりするのは、住民サービスの向上だから、当然住民に歓迎される。候補者はいかにして公務員を増やすかのアイデアを競うわけだ。

ところが日本の昨今の地方選挙では公務員削減などというような候補者が次々と当選するのだから世界の人々は理解に苦しむだろう。公務員を減らせばそれだけ税金が下がるのならまだ話が分かるが、税金は法律で決まっており、自治体が変えることは出来ないのだから、住民は公務員を減らして何の得も無い。実際、日本の公務員は諸外国に比べて少ない。

多くの人々は不況で生活の不安を抱えており、不況の影響が少ない公務員がねたましいので、少しでも公務員をいじめられることが鬱憤晴らしになる。鬱憤晴らし票をねらって公約を出すのだというのが解釈だろうが、やはりなかなか納得されないだろう。

議員にしても同じだ。おなじ税金なら議員は多いほど勝手に税金を使うことをチェックできる人が増える。住民から見れば議員を削減するメリットはどこにもない。議員を減らし、公務員を減らして、浮いたお金はどこへ行くかと言えば、豪華な庁舎を作ったり、変な第3セクターみたいな所に出資したり、住民サービス以外のところに無駄に使われるに決まっているのだ。

放射線を騒ぎすぎているか [社会]

福島の原発事故以来、多くの人が放射線障害に関心を持ち話題になることが多いが、専門家の間では放射線を騒ぎすぎていると感じている人が少なくない。20msvの被爆なら、がん発生確率が0.1%増えるだけで、これなら交通事故の確率のほうがよほど高いのだし、放射線だけが原因でガンになるわけではさらさらない。などという言説をよく聞く。

しかし、交通事故と放射線障害では比較にならない。交通事故は注意すればかなり防げるし、大きな原因なら死亡事故だが、小さな原因ならかすり傷だ。放射線は大線量であろうと、小線量であろうとガンになってしまえば一様に重症であり、ただその発生確率が変わるだけだ。言ってみれば無差別殺人事件に遭遇するようなものだ。

それでは、ということで、無差別殺人との比較をしてみよう。秋葉原事件では8人が殺された。東京都民800万人だから、誰かが無差別殺人の犠牲者になる確率は、百万分の一つまり0.0001%である。数字は小さいが確かに大問題になったし、これを放置しておくわけにはもちろん行かない。

この確率を人口200万人の福島県に引き移してみよう。政府は放射線被爆を20msv以下にすれば良いと言っている。20msvを許容することは秋葉原殺人事件の犯人のような人が25人、福島県のあちこちに出現して暴れまわると言うことに等しい。

もし、そんなことが起こればパニックとなり、人々はもっと騒ぐだろう。決して放射線が騒がれすぎているわけではないことは明らかだろう。
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尖閣諸島は中国領でしょう [政治]


前に「使琉球録」のことを書いたが、最近沖縄の地形を調べてみて、やはり尖閣諸島は中国領なのではないかの感を強めた。この海底地図を見ると、日本の本土から離れているようでも、沖縄本島から与那国島までの沖縄列島が日本列島から続く一連の島塊であることがよくわかる。それと同時に、尖閣諸島は大陸棚に位置しており、沖縄列島とは2000mの深い海で区切られていることもわかる。地形的には沖縄列島と尖閣諸島の間に国境を設定するのが自然であって、尖閣諸島の向こう側に国境を設定するには無理がある。

歴史的にも「使琉球録」では明らかに中国領だし、日本の文献でも林子平の『琉球三省并三十六嶋之圖』で中国領と認めている。日本領の根拠と言えば明治時代にあほうどりの羽を集める業者が島に常駐した実績があると言うだけだ。それも、日清戦争で軍事的な優位を確保しての話だから、ポツダム宣言に従えば中国に返還すべき領土の対象だ。明治29年に勅令13号で沖縄県の範囲を決めているが、勅令の現物を見てみると、なんと尖閣諸島のことは何も書いてない。尖閣諸島が八重山に含まれるなどと言っても国際的には通用しないし、国境との意識があれば、鳥島のように島尻の中に列挙すべきだった。この時点でも公式には日本領でないと認識していたことになるからいまさら日本領と言えるわけがない。

こういった中国領説に対する反論もあるが、文献に対しては公的なものでないとか、不正確な記述もあるだとかのケチ付けだけで、積極的な根拠は全く示されていない。中国が70年代になってから領有を主張しだしたことがよく言われているが、日本もそれまでアメリカに対して尖閣諸島を帰せと言ったことが少なくとも公的には一度も無い。

外交上なによりもまずいのは、沖縄返還の時に尖閣諸島を明示しなかったことだ。それだけではない。日本はアメリカに明示してくれと頼んだのだが、断られてしまった。断られて問題になったのならそれでもいいのだが、それをいとも簡単に了承してしまった事が記録に残っているのだから主張は決定的に弱い。

この弱い主張を維持するために何をやっているかと言えば海上保安庁や自衛隊を頻繁に出動させている。これが問題だ。尖閣諸島が日本領だと主張するだけなら構わないのだが、弱い主張を補うための出動にはとてつもなく金がかかる。しかも、自衛隊が出動してもそれで中国が納得するわけではないから、この財政負担は永久に続く。この財政難の時に投資効率もあったものではない。

それだけやって何が得られるかというと何もない。尖閣諸島は無人島だから何も生み出さない。海上の天然ガスを取りざたする人もいるが、無用の長物だ。天然ガスの需要地は本土であまりに遠い。液化して運ぶとなれば設備も膨大だしコストもかさむ。難しい海上の採取をやるより、アラスカから輸入したほうが完璧に安いのだ。中国は浅い海底にパイプラインを敷設することが出来るが、日本側には深い海溝をまたがなければならないからそれは無理だ。

漁業権も同じ事で、日本の漁船は消費地に遠すぎて燃料代もかさむし、長時間労働で引き合わない。現実に日本の付近への出漁は少ない。中国にとってもらって加工した水産物を輸入するほうが安いのだ。

冷静に考えれば、ここは中国に恩を売っておくところだろう。尖閣諸島をくれてやるという代わりに何かをもらうことで頑張るのが外交成果の選択だ。まあ、今の政府ではそれも無理だろうなあ。無理筋の主張を繰り返すばかりでこのまま行くと、国際世論からも相手にされなくなるだろう。



沖縄と福島--その共通するもの [社会]

今年は福島沖縄旅行した。そしてこの2つの県に共通するものに気が付いた。どちらも札束で顔をはたかれてきた県なのだ。福島は原発、沖縄は基地だ。全国各地でのやっかいものを引き受ける他に生活の基盤を確保する見込みが立たない。

福島は、仙台を中心とする東北文化から見ても辺境になる。農業も沈滞するし、漁業も東京に直接水揚げする舟が多い。立地するものといえば幾つかの下請け工場位のものだ。子供たちが大きくなっても地元で大きな活躍をする夢がない。

沖縄も観光は目立つが特にこれといった産業はない。失業率は他県を抜いて高いし、収入レベルは低い。何を作っても消費地に遠いことはハンディーになる。やはり大志を持った子供たちは出ていくしかない。

先祖代代はぐくんできた地方都市のプライドを経状況が日々脅かす。それがコンプレックスに追い討ちをかける。なんとか金が落ちる工夫をしなければと焦らせる。その結果が原発の受け入れであったし、基地の存続だった。

沖縄では基地の弊害がわかっていた。それだから金に屈服して受け入れるか、あくまでも胸をはって基地を拒否するかの間で常に揺れ動いた。福島では原発事故でやっと弊害の本当の姿がわかり、今からの長い揺れ動きが始まる。

どちらも出発点は「受け入れる以外に発展の道がない」という意識だった。しかし考えて見れば、これは特にこの二ヵ所の問題ではないのだ。今や、将来の発展が見渡せる地域など何処にもない。かつて、豊かな農業生産を背景に栄えた地方都市はどこも凋落している。駅前商店街がシャッター通りになっていないところはないのだ。

新幹線や高速道路の発達、あるいは通信手段やインターネットの整備で、地方拠点の必要性は小さくなり、中央集権がますます進んだ。悪あがきは効果がなかった。工場誘致をしても、非正規雇用を作り出すだけだ。本社を持ってくるしか「発展」の可能性なんかないのだし、そんなことは中央集権の国で出来るわけがない。

事態に人々は反応しすぎている。大阪でさえ地盤沈下に追い込まれ漫才師やタレント弁護士のパフォーマンスに期待して騙されるくらいだ。地盤沈下がなんだ。経済沈滞がなんだ。どっちみち進む事態にやきもきすることはない。居直って、東京が人の住めない場所になるのを待つのが一番の道だろう。
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点をなめらかな曲線でつなぐ--3次式補間 [コンピュータ]

一昨年のボーナスが80万円、今年のボーナスが75万円、去年のはいくらだったっけ?なんて時には大体その中間だろうと見当をつける。しかし、3年前に90万円だったりすると、去年はもう少し少なかったように思う。グラフを書いて見て、滑らかに線を引っ張ると半年前が底で去年も75万と言うことになる。

これをコンピュータでやろうとするとどうなるか? 一番簡単なのは2点の間を直線で結んで折れ線グラフにしてしまう線形補間だが、大体その中間だろうと見当をつけるのと同じで、これではあまりに芸がない。やはり点を滑らかにつなぎたいと言うことになる。

直線の次に簡単なのは放物線で、点が3つあれば1つの放物線が決められ、3点が綺麗に曲線で結ばれる。しかし、実際には3点でなく、もっとたくさん点がある場合が多い。この場合、区間に切って、区間ごとに放物線を決める3点を変えていくことになる。

やってみるとこれがうまく行かない。線がまがりくねっている場合、放物線を決める3点を変更したとたんに値にピョンと飛びが出てしまうのだ。点のところで切り替えをすれば飛びはなくなるが、カクっと角ができて、全然なめらかではない。放物線は2乗の係数の正負で曲がり方が逆になってしまうのだからいたし方ない。

世の中にはこれを解決する方法があり、ベジェ曲線とかスプライン曲線と言うものがそれだ。ベジェ曲線は2点間をあまりに自由につなぐので補間には向かない。スプライン曲線数学的に完璧なものだが大きなマトリックスを解いたりせねばならずお手軽ではない。

実用的なのは放物線を一歩進めて3次曲線で結ぶという方法だ。補間する区間の端とその外側の点4つで3次式を決める。3次式の場合、4点をずらして行くと、区間の外側で傾きが反対になっても、区間内の曲がりは同じになる。微分連続というわけではないが、微分がそう急激に変わらずに連続性が保たれているわけだ。

(x(0),y(0))から(x(3),y(3))までの4点を通る3次曲線yy=ax^3+bx^2+cx+dの係数a,b,cを求めるのは以下のとおり。ちょっと複雑だが一度書いてしまえばいつでも滑らかに点をつなぐことができる。正式のスプラインは点列全部を読み込んで大きな行列を解くのだが、この3次式補間は周りの4点だけで値を決めるのではるかにお手軽になる。

強引に方程式を解いて y=a+bx+cx^2+dx^3 の係数を決めてやると
d=(x(0)*(x(0)-x(2))*x(2)*(x(0)-x(3))*(x(2)-x(3))*x(3)*y(1)+x(1)^3*(x(0)*(x(0)-x(3))*x(3)*y(2)+x(2)^2*(x(3)*y(0)+x(0)*y(3))+x(2)*(x(3)^2*y(0)-x(0)^2*y(3)))+x(1)*(x(0)^2*(x(0)-x(3))*x(3)^2*y(2)+x(2)^3*(x(3)^2*y(0)+x(0)^2*y(3))+x(2)^2*(x(3)^3*y(0)-x(0)^3*y(3)))+x(1)^2*(x(0)*x(3)*(x(0)^2+x(3)^2)*y(2)+x(2)^3*(x(3)*y(0)-x(0)*y(3))+x(2)*(x(3)^3*y(0)+x(0)^3*y(3))))/((x(0)-x(1))*(x(0)-x(2))*(x(1)-x(2))*(x(0)-x(3))*(x(1)-x(3))*(x(2)-x(3)))

c=(x(0)^2*(x(0)-x(3))*x(3)^2*(y(1)-y(2))+x(2)^3*(x(3)^2*(y(0)-y(1))+x(0)^2*(y(1)-y(3)))+x(1)^2*(x(3)^3*(y(0)-y(2))+x(0)^3*(y(2)-y(3))+x(2)^3*(-y(0)+y(3)))+x(2)^2*(x(3)^3*(-y(0)+y(1))+x(0)^3*(-y(1)+y(3)))+x(1)^3*(x(3)^2*(-y(0)+y(2))+x(2)^2*(y(0)-y(3))+x(0)^2*(-y(2)+y(3))))/((x(0)-x(1))*(x(0)-x(2))*(x(1)-x(2))*(x(0)-x(3))*(x(1)-x(3))*(x(2)-x(3)))

b=(-x(0)*x(3)*(x(0)^2-x(3)^2)*(y(1)-y(2))+x(2)*(x(3)^3*(y(0)-y(1))+x(0)^3*(y(1)-y(3)))+x(1)^3*(x(3)*(y(0)-y(2))+x(0)*(y(2)-y(3))+x(2)*(-y(0)+y(3)))+x(2)^3*(x(3)*(-y(0)+y(1))+x(0)*(-y(1)+y(3)))+x(1)*(x(3)^3*(-y(0)+y(2))+x(2)^3*(y(0)-y(3))+x(0)^3*(-y(2)+y(3))))/((x(0)-x(1))*(x(0)-x(2))*(x(1)-x(2))*(x(0)-x(3))*(x(1)-x(3))*(x(2)-x(3)))

a=(x(0)*(x(0)-x(3))*x(3)*(y(1)-y(2))+x(2)^2*(x(3)*(y(0)-y(1))+x(0)*(y(1)-y(3)))+x(1)*(x(3)^2*(y(0)-y(2))+x(0)^2*(y(2)-y(3))+x(2)^2*(y(0)+y(3)))+x(2)*(x(3)^2*(y(0)+y(1))+x(0)^2*(y(1)+y(3)))+x(1)^2*(x(3)*(y(0)+y(2))+x(2)*(y(0)-y(3))+x(0)*(-y(2)+y(3))))/((x(0)-x(1))*(x(0)-x(2))*(x(1)-x(2))*(x(0)-x(3))*(x(1)-x(3))*(x(2)-x(3)))

なのだが、それは凡人がやることであって、賢く考えればもっと簡単に求めることができる。3次式による補間とはラグランジェ補間の次数を3次に止めただけのことだ。
y=y(4)*(x-x(1)/(x(4)-x(1)) * (x-x(2)/(x(4)-x(2)) * (x-x(3)/(x(4)-x(3))
+y(1)*(x-x(2)/(x(1)-x(2)) * (x-x(3)/(x(1)-x(3)) * (x-x(4)/(x(1)-x(4))
+y(2)*(x-x(2)/(x(2)-x(3)) * (x-x(4)/(x(2)-x(4)) * (x-x(1)/(x(2)-x(1))
+y(3)*(x-x(2)/(x(3)-x(4)) * (x-x(1)/(x(3)-x(1)) * (x-x(2)/(x(3)-x(2))

というのがその解なのだが、さすがラグランジェ先生は頭が良い。yの4つの値のミキシングだと考え、x=x(1)の時には他の項が消えるように(x-x(i))をかけて、あとで規格化するために割ってやる。これで何次の式であろうと作れる。ここでは最低必要な3次式にしている。これで4点ごとに3次式を決めて行けば補間ができて、緩やかな曲線なら本格的なスプラインに比べても遜色ないように思う。

「スプラインに比べて遜色ないように思う」と書いてはみたが、データの上がり下がりが大きい場合はやはり角張る。大きく外れるわけではないのだが厳密には微分連続ではないからだ。遜色ないようにするにはもう少し改良がいる。






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なぜ歴代首相はアメリカに弱いのか [政治]

野田首相はアメリカの御用聞きと言われるほどアメリカに弱い。普天間もPPTもほとんど言われるままだ。阿部なんか、太平洋戦争擁護論をブッシュにとがめられただけのショックで退陣してしまった。歴代総理は揃いもそろってアメリカに弱い。世界有数の経済大国がなんとしたことだろう。

これには実は理由がある。アメリカなどの場合、大統領は選挙で決まるので、政策や、演説、人柄などが決め手になるが、日本では首相の選任は間接選挙であり、個人の資質などほとんど関係なく、与党の中の力関係で決まる。その力関係たるものはなかなか複雑で外からはよくわからない。

内部でもおそらく良くわからないだろう。それぞれに派閥と子分をもち、財界や組合とつながったりしていて実際には決め手がない。これは大手ゼネコンの受注合戦に似ている。ゼネコンの能力に、裏操作を含めて、たいした差はない。どうせ同じ下請け業者を使うのだから、入札といってもコストに大きな差があって、どこかが1人勝ちするような決め手はないのだ。

こんな時、実際に物事を決めるのは「天の声」ということになる。汚職事件でいつも問題になるように、「天の声」というのは絶対的な決定権を持った所から出るとは限らない。要するに業界として決めるために必要なのだ。ある程度権威を持った「声」があれば、それに従うのが業界仁義となっている。これに逆らうような事をすると業界自体が疲弊するから袋叩きにされる。

政治家の場合も派閥勢力は常に拮抗しているので、結局首相選びには「天の声」が必要になる。それがアメリカ政府から出ているのだ。長いあいだの自民党派閥政治が作り上げてきた生活の知恵とも言える物で、派閥政治をするための業界仁義になっている。「天の声」に逆らえば、公的にアメリカが権限を持っているわけではないが、あらゆる派閥からよってたかって引き摺り下ろされる。

民主党政権になってしばらくはこの力学に馴染まなかったのだが、たちまちのうちに習得して、いまではしっかりと自民党派閥政治を受け継いでいる。謹慎中の小沢派が最大勢力を持つ民主党では、野田政権にとって「天の声」のお墨付きは絶対的に重要なのだ。だから、今後も日本政府はアメリカに対して極端に弱いことが続くだろう。経済力があっても、ヨーロッパ独立国に比べていかにも情けない状態が続くのである。
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「農業再生案」のお粗末 [社会]

ニュースによれば、「農林漁業の再生に向けた政府の基本方針・行動計画の原案が19日、明らかになった。海外との高いレベルの経済連携と、食料自給率(カロリーベース)を50%に引きあげる目標達成の両立をめざす方針を明記。農地の大規模化といった競争力の強化策を今後5年間で集中的に進める。」ということだ。

TPPで日本の農業が壊滅するという懸念に対する反論だろうが、なんとお粗末なことだ。外国の農業と対抗するには大規模化だという。ここ10年来破綻が証明された政策の繰り返しだ。5年間で水田の一軒当たりの面積を今の10倍にするというのだ。

10倍の土地を取得するには金が要る。政府が融資するということだろうが、返済の見込みがあるのだろうか。

20haなら収穫は5、6トンくらいになるが米価は10kg3850円だから売り上げで4000万円。これをもっと下げなくては競争に勝てない。農機具や肥料の生産コストが現在なら20haで2800万円。年間収益は1200万円で、地代を少しづつ返せることに計算上はなる。

しかし、10倍もの水田をどうやって耕すというのだ?一人で耕すのはどう考えたって無理だ。つらい農業労働を時給800円でやってくれるアルバイトなんているものか。いたとして、年収300万の労働者を3人も雇えば、農家の収入は300万で、とても多額な土地代借金を返せない。

日本の農業は大規模化ではなく、逆に分散型にすべきだ。各自は家庭菜園で自給自足を基本にするのだ。庭のない人には週末菜園を郊外に支給する。各自自分で農産物を作らねばならないから残業などとんでものない。家庭で菜園を作れるような働き方が標準になるだろう。PPTはもちろん不参加で農産物に関しては鎖国で良い。そうすれば、金をたくさん儲ける人は他人の農産物を買ってもよいが、それは相応に高いものになるだろう。金の力で低賃金の国から農産物を搾り取ること自体が非人道的な犯罪なのだ。
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確率の魔術 [社会]

博打の必勝法として「倍々法」と言うのが知られている。最初1000円掛け、負ければ掛け金を2000円に増やす。また負ければ4000円に増やす。こうして「倍々法」で掛け金を上げていけばいつかは勝つだろうからその時点で必ず差し引き1000円の利益がでる。

博打に必勝法があるなどと言う理屈を頭からは信じない友人を相手に、マッチ棒で実際に賭けをやってみた。2,3回毎に僕の価値となり、その度にマッチ棒を一本ずつへらして行ったので彼は降参してしまった。大体は思った通りの結果だった。

実は「大体は」と言うところが問題なのだ。この原理で言えば誰でも博打で儲かることになるが、もちろんそんなことはありえない。彼がもう少し辛抱強く勝負を続けておれば、6連敗して僕が大敗になるケースもあったはずだ。確率は1/32だ。何回も続けて「半」ばかりが出ることはないだろうということで、小さな確率をゼロにしてしまうところに「倍々法」のごまかしがあるのだ。

実は原発についても同じことが言える。原発を停止すれば電気代が上ると言われている。原発の発電コストは火力発電、水力発電に比べて安いからだ。しかし、今回の原発事故の費用を入れれば、原発の発電コストが安いとはいえないことは明らかだろう。

原発の発電コストが安いなどという試算は、事故が起こる確率をゼロにしてなされたものだからだ。「小さな確率」は決してゼロではない。一度事故が起これば、その費用たるもの莫大である。期待値は確率X費用なのだから、費用が大きい場合には確率は低くとも、期待値は大きくなる。原発の発電コストは事故の対策費用も含めて見直さねばならない。

食品会社が衛生対策をないがしろにしてユッケを販売したのも確率の低い食中毒の対策費を無視して「儲かる」と判断したからに他ならない。機関投資家が潤沢な財力を背景にやっているのも倍々法と同じようなことで、サブプライムローンにつぎ込んで行き、破綻の確率がゼロで無いことを無視するものだ。破綻した場合は公的資金をつぎ込んでもらえるから当事者は役員報酬をしっかりもらって、痛くもかゆくもないから始末が悪い、


小さな確率をゼロにしてしまう魔術は世の中に蔓延している。


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野田首相の資産 [政治]

首相に就任した野田氏の資産公開があったが、これを見ただけで「嘘つき」と思ってしまった。資産総額1770万円。そのうち自宅が1500万円で貯金は定期がが200万円。あり得ない。

旅費は公務だからタダ。冠婚葬祭の寄付は禁じられている。政務調査費や公設秘書の給料は別に支給される。旅行パチンコで使うほど閑ではないはずだから、使い道もないだろう。しかるに国会議員の給与年収3000万円にもなるし、野田氏はこれを長年貰いつづけているのだ。

異常な資産保有状況なのだから説明が要る。一体何にそんな金を使っているのか? 説明がなければ普通は嘘つきだと判断するだろう。

首相が嘘つきでは公約もマニフェストも意味を持たない。こんな首相のもとで政治が行われて行くかと思えば暗澹たる気持ちになる。
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円高の対策 [政治]

かなりひどい円高が続いている。円高だと何が困るかというと輸出が出来ないから景気が良くならない。結果として給料が上がらない。円高は長く続いており、対抗策として生産コストの引き下げをやってきた。

しかし、これは本末転倒ではなかろうか。生産コストの引き下げとは、合理化なのだが、結局は賃下げだ。景気が悪くなって何故困るかといえば会社が儲からなくなって賃金が下がるからだ。最初から賃金を下げるのでは景気が良くなっても何の意味もない。

問題はそれが長く続いていることだ。給料が下がれば当然消費は控えねばならない。消費が冷え込めばなた景気が悪くなる。これでまた賃金を下げるといく繰り返しで、デフレスパイラルに落ち込んでしまっている。

これはどこかで食い止めなければならない。どうすれば良いかと言えば、そんなに難しいことではない。思い切って賃上げを強制すれば良いのだ。貧困層にはすぐに使う金を支給する。その原資をどうするか?それは取れるところから取るしかない。儲かっている会社、資産を溜め込んでいる人から取るのだ。

具体的には、企業の内部留保金に高率の課税をする。累進税率を引き上げる。相続税率も引き上げてよい。これを、貧困層への援助としてばら撒けば、たちまち消費が拡大される。内部留保を給与に回せば賃金の上昇になる。ようするに、溜め込まれて動かなかった金を、循環させるのだ。

このような経済政策が行われるまで円高は続くし、不景気も続く。にも関わらず、こんな政策は話題にもならない。それは、政治を行っている人たちが大企業と金持の言うなりだからだ。そして、性懲りもなくこのような政治家を選んでいるのは選挙民だ。

日本人は政治で生活が変わることを体験していない。だから、選挙では、自分の生活に役立つ政策を選ぶのではなく、知名度とか、タレント性、人気とかで選んできた。だが、いつかは気が付いて、選挙でまともな人が当選するようになるだろう。まだまだ学ばなければならない。
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不思議な政局 --ポスト管政権 [政治]

管首相が8月中の退陣を表明して政局は慌しくなって来ている。しかし、次の内閣の方向議論が全く無いという不思議な状態に陥っている。

津波と原発の被害から半年、国民の関心事はもちろんエネルギー問題だ。管総理が脱原発を打ち出して、そのため、原発を争点にしたくない自民党の矛先が鈍り、間政権が延命したのだから、民主党としては、この脱原発路線をどう継承するかが次の候補者を選ぶ争点になるはずだ。逆に異論として原発推進論が出てきても良い。

ところが、どの候補者も原発について何も語らない。自民党と同じように原発についての議論を避けようとしているようにも見える。そればかりではない、高速道路子ども手当ても、普天間基地も、民主党が自民党との違いを鮮明にして政権交代をせまった事項を全てチャラにする大連合ばかりを語っている。それでは政権交代の意味がどこにあるのか。

自民党も民主党を攻撃するのになんら具体的な政策の違いを打ち出さない。民主党の復興政策のどこが問題なのかを明確にしてこそ野党としての戦いが出来る。ところが、そんなことはどこにも出てこない。自民党の政策も民主党と変わらないことを自認しているようなものだ。これでは自民党としても政権奪還の意味がなかろう。

結局、自民党も民主党も同じ筋書きの芝居をやろうとしていることになる。互いに役者が気に入らないと争っているだけだ。

政治とは筋書きを描くものだ。選挙を同じ筋書きを押し付けられる芝居の役者選びにしてはならない。それに皆が気づかなければいつまでたっても日本の政治はよくならない。

中国の腐敗と日本の官僚 [政治]

中国の行政幹部の腐敗がたびたび報道されている。「人民に奉仕せよ」を掲げる社会主義の国だったはずなのに何と言うことかと感じさせられる。行政の幹部が企業の幹部を兼ねて、一千万円にも及ぶ給与をくすねていて罰せられた。こういったことは、一党独裁政権の本質的な問題だとも思える。

しかし、ひるがえって日本を見て見ると、年間何億円もの給与をもらう企業の幹部が行革本部を指揮したりするのが平気で行われている。これは中国で言えば腐敗に当たるものではないだろうか。順序が逆なだけで結果的には行政と企業の兼任による高収入に変わりはない。

日本では腐敗を腐敗として受け止めないところまで腐敗が進んでいるのだ。今問題になっている原子力保安院は、中身から言えば、電力会社の社員や原子力産業の社員が出向しているものばかりだ。原子力保安院だけではない。多くの省庁が「天上がり」の職員で構成されている。これでは取り締まりなどできるわけがない。

まともな政治が行われない原因は明らかに「産官癒着」にあるのだが、「産官分離」が言われることがないのも変な話だ。

軍事優先で原発事故対策に遅れ [政治]

 福島第一原発の事故で、衛星写真が公開された。驚いたことにこれはアメリカの会社から買ったもので、数枚の写真に3600万円も出したということだ。なぜかといえば、日本には情報収集衛星IGS-4Bが稼動中のはずだからだ。

 この衛星は、「我が国の安全の確保、大規模災害への対応その他の内閣の重要政策に関する画像情報の収集」のために打ち上げられたもので、原発を上空から見て事故の状況を判断する絶好の衛星だ。この大規模災害の時に役に立たなくてどうする。この衛星を使えば、屋根が吹き飛んだ4号炉の中の様子は手に取るようにわかったはずだ。事故への対応ももっと早く出来た。

 情報収集衛星の開発には実に814億円もの予算を使い、内閣衛星情報センターが運転している。しかし、この内閣衛星情報センターの内実は防衛省の制服組であり、実は全くの軍事衛星なのだ。「大規模災害への対応」などということは全く考えていない。共産党の吉井英勝議員が質問して明らかになったことは、衛星写真を公開したくなかったからアメリカの会社から買ったと言うことだ。

 公式には分解能60cmだが実際は40cmの高性能といわれている。公開すれば、分解能がわかり、この衛星が軍事目的だったことがわかってしまう。あくまでも軍事秘密を保持するために、福島の原発事故は見捨てたと言われても仕方がない。そもそも日本は宇宙の軍事利用を禁じてきた。この衛星も大規模災害に使えるからということで法律を曲げたものだ。

福島の原発事故で苦しんでいる人たちを尻目に、軍事優先で大金を浪費する姿勢は糾弾されなければならない。

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